◆所蔵品から◆ 資料ナンバー10707 小冊子「勲章佩用心得」(くんしょうはいようこころえ)の話

資料班



「勲章佩用心得」

「勲章佩用心得」

 「第14回寄贈品展 伝えたい戦争の記憶 平和への願い」の準備が始まりました。2026年12月8日(火)からです。
 展示予定の資料から1点、ご紹介します。「勲章佩用心得」です。
 「佩用」は「はいよう」と読みます。「身に着ける」という意味です。「佩」の字は「佩刀」(はいとう)という言葉で使われているのを見たことがある方もいらっしゃると思います。

「勲章佩用心得」p1

「勲章佩用心得」

 

 「勲章佩用式」が公布されるのが「明治二十一年」(1988年)です。
 「大勲位菊花章」「宝冠章」「旭日章」「瑞宝章」の4種類の勲章を、どのように着けるかの説明がされています。
 等級によって勲章の形も違い、着け方が変わります。 「顎飾ヲ以テ喉元ニ」や「中綬ヲ以テ喉元ニ」と書かれているものは首から下げるタイプで、「結蝶状ノ綬ヲ以テ左肋ニ」、「小綬ヲ以テ左肋ニ」は左胸につけるもの、「大綬ヲ以テ右肩ヨリ左脇ヘ垂レ」は、たすき掛けにした大綬に勲章がついているものです。
 「綬」(じゅ)というのが何種類か(大・中・小・結蝶状)出てきました。勲章についている色のついたリボンのことです。勲章の種類によって色の組み合わせが決まっています。
 「綬」の文字は「緑綬褒章」(りょくじゅほうしょう)みたいなところで、現在でも見ることがあると思います。

東郷平八郎 南次郎 安保清種 若槻禮次郎

えらい人の訓(おしえ)より

 前回ご紹介した「えらい人の訓(おしえ)」に、勲章をつけている人物が4名出ていたので、具体例として再登場していただきます。
 たすきをしていたり、首から下げていたり、胸に並べて着けていたりさまざまです。「えらい人」なので勲章の数も多いです。


「勲章佩用心得」p2

「勲章佩用心得」

 

 「明治二十三年」(1990年)に、金鵄勲章(きんしくんしょう)が制定されます。
 金鵄勲章の「功一級」は、「左肩ヨリ右脇」と、大綬のつけ方が左右逆になります。


「勲章佩用心得」p7

「勲章佩用心得」

 

 「略章略綬佩用心得」というページです。
 


勲章と略綬

勲七等青色桐葉章と勲八等瑞宝章

 

 ここでも具体例をご覧いただこうと思います。前回の寄贈品展で展示した勲章です。 勲章についているリボン(綬)と同じ色を用いた丸いバッジがついていました。これが「略綬」です。左の襟のボタン穴か、左の胸につけます。色の組み合わせで勲章の種類、線の数で等級がわかります。


「勲章佩用心得」p9

「勲章佩用心得」

 

 「略章略綬佩用心得」のページの続きです。
 並べて着ける時は胸の中心に近いところに上位の勲章を着けます。
 丸い略綬は、円を2分割、3分割、4分割して2種類以上の綬をひとつにまとめたものを作るようです。


略綬板

略綬板

 

 このような形のものもあります。軍服の胸にカラフルなリボンが並んでいるのを見たことがある方もいると思います。
 勲章の種類で綬の配色は決まっているので、綬を細長く並べることで、勲章を着ける代わりになる、ということのようです。


略綬板 裏 略綬板 裏 拡大

裏側

 

 裏返すと縫い目が見えます。
 人それぞれ、持っている勲章・記章の組み合わせは違うので、手作りに近いやり方で整えていたのかもしれません。


「勲章佩用心得」p14

「勲章佩用心得」

 

 この後は、等級が上の勲章をもらったら、同じ種類の今までのは返すように、とか、勲章等を受けた者の族籍や氏名が変わったら賞勲局に届けるように、ということが書かれていました。






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