ピースあいちで高校生インターンシップ◆戦争の“おろかさ”を後世に伝える方法を考える

                                           
 

 夏休みに入り、「高校生インターンシップ」のみなさんが「戦争の“おろかさ”を後世に伝える方法を考える」をミッションにボランティアといっしょにピースあいちの運営に携わってくださいました。朝のお掃除から始まり、来館者の受付、イベントの準備、展示の鑑賞、そしてボランティアとの交流を深めました。
〇聖霊高校 7月30日・31日・8月1日
〇愛知淑徳高校 8月5日・6日・7日
参加したみなさんから、感想をいただきました。

展覧会場の様子1

ボランティアから展示の説明を聞く

下田莉々奈 聖霊高校1年
 今回のインターンシップを通じてミッションである「戦争の“おろかさ”を後世に伝える方法」を自分なりに考えてみました。
 一つ目は、私は絵を描くことが得意なので、絵やピースあいちでできることなどをまとめたチラシを作成し、それを学校に貼らせてもらうことです。私は3日間のインターンシップの中で展示見学をさせてもらったり、戦争の体験談を聞かせてもらいました。学校の授業では、先生の話をなんとなく聞いている、映像を軽く見る程度だと思います。しかし、実際に展示を見たり、戦争体験者から体験談を聞くというのは、戦争のおろかしさや恐怖を授業と比べ物にならないくらい痛感できたし、必要不可欠なものだと思いました。「チラシをきっかけにピースあいちの存在を知り、戦争のおろかさや恐怖を知った若者がもっと増えてくれたらな」と想い考えました。
 二つ目は、戦争体験者の体験談を絵本にすることです。小さい子が戦争体験者から直接体験談を聞くというのはまだ難しいと思います。なので、絵本で小さい子にもわかりやすく戦争について知ってもらうというのがとてもいいなと思いました。
 小さい頃から戦争についての知識を身に付けることができるし、家族で戦争や平和についての話をすることができると思います。
 私はこの二つの方法が戦争のおろかしさを後世に伝えられると考えました。
 ピースあいちのみなさんは戦争についての資料を作ったり、受付でイベントのチラシを来館者に渡したりなど、さまざまな活動をしていました。このようにまだまだ方法はあります。たくさんの人に、「自分なりの戦争についての伝え方」を考えてほしいです。3日間ありがとうございました。

 

加藤莉沙 聖霊高校1年
 私はこの3日間のインターンシップを通じて、戦争について後世に伝えていくには、まず自分が戦争についてしっかりと学び、知ることが大切だと気づきました。戦争を経験したことがない私たちだからこそ、ちゃんと後世に伝えられるだけの知識と積極性が必要だと感じました。
 そして、自分の知識として頭に入れるのと、人にその知識を教えたり、伝えたりするのは別の難しさがあるのだと、ボランティアの方々にたくさん説明していただいたからこそ気づくことができました。伝えるためにはただ知ることだけでなく、自分の言葉にできるように深く考えることが大切だと思いました。
 そして、私がこの3日間聞かせていただいた貴重なお話の中で、その瞬間の気持ちや感じたこと、興味を持った部分などをしっかりと覚えておくことも、戦争を後世に伝えるためには必要なことだと分かりました。この3日間とても貴重な体験をありがとうございました。

展覧会場の様子1

銅板のツルを届けてくださった鈴木準一さんと

奥山日陽 愛知淑徳高校2年
 「戦争のおろかさを後世へ伝えるには」というミッションのもと、私が今回のインターンシップで戦争についてどう考えるようになったかをまとめようと思います。
 初めてピースあいちを訪れた時、生々しい写真や展示を見て、「怖い」「見たくない」と感じたのが正直な感想です。しかし、説明を受けて考えを深めてから、眼を背けず見てみると、そこにうつる人々が何か訴えているように見えました。このように、戦争に対して恐怖心ではなく、「学ばなければ」という使命感のようなものが生まれたのです。
 今もウクライナやガザ地区など、世界のどこかで戦争は続いています。しかし、戦争は当事国だけの問題ではありません。国境を越えて様々な形で影響を与えています。「世界のどこかで戦争が起きている限り、関係ない人などいないのだ」ということが、私がピースあいちで最も強く感じたことです。
 このような戦争のおろかさを後世に伝えるためにはどうすれば良いのか。それは、すべての人が戦争から目をそらさず、学び、平和の大切さを理解することだと思います。当たり前のことだと思われるかもしれませんが、こういった一人一人の思いが積み重なることで、争いのない未来を築く第一歩になると、ピースあいちで学びました。
 私も今後、さらに戦争について学び、向き合い、自分に何ができるのか考え行動することを、約束します。温かく迎え入れて下さり、そしてたくさんの学びをありがとうございました。

 

清水もも子 愛知淑徳高校2年
 3日間のインターンシップで、「戦争のおろかしさを後世に伝える方法を考える」というミッションを与えられました。
 1日目に初めて展示を見た際、まず戦争の生々しい写真が目に留まりました。今までに戦争に関する本や映画を見たことはありましたが、写真は「怖い」という理由で避けてきていました。積み重なった遺体の写真を見て、この写真は白黒で古いものと感じても、今も世界で起こっている戦争では目の前にこの光景が広がっており、戦争は決して歴史の一部ではなく自分事として捉えなければならないと感じました。
 2日目の8月6日には、「戦争体験を聴くシリーズ」の司会を務めさせていただきました。緊張の中でみなさんから優しいお言葉をいただき、みなさんのあたたかい人柄に助けられました。この日は広島の原爆について語り継ぎをしていらっしゃる方のお話を、80年前広島に原爆が投下されたという日に聴くことで、平和についてより考えさせられました。
 ミッションについて、私たちのような若い世代が過去の過ちについて興味を持ち続けること、そして資料から歴史を学び、戦争体験者の減少が問題とされる今、その語り継ぎの活動、そしてそれを絶やさないことが重要だと考えました。
 インターンシップを通じて、ピースあいちにいらっしゃる方々の平和の対する想いが本当によく伝わってきました。普段から戦争について考える機会はあまりなかったため、3日間で新しい学びや考えを得ることができました。忙しい中様々なことを教えていただき、本当にありがとうございました。