◆所蔵品から◆資料ナンバー6053 めんことカードゲームの話
資料班

　今月はこちら。めんこと、カードゲームです。1枚の台紙に貼られています。
　丸いのが「めんこ」です。厚い紙でできています。地面にたたきつけて相手のめんこをひっくり返すような遊び方だったと思います。
　短冊のような形のものは、めんこよりも薄い紙でできています。「大佐」「大将」「少将」「三等兵曹」のような人物のカードと「タンク」「砲台」「高射砲」「飛行機」「地雷」など兵器や乗り物のカードがあります。

　四角いカードゲームの方から見ていきます。1枚だけ絵柄ではなく文章が書かれています。拡大して見てみましょう。
　「間者」「工兵」「軍旗」「赤十字」「飛行機」「飛行船」「タンク」「砲台」「高射砲」の、それぞれのカードについて、どのカードに勝ち、どのカードに負けるのか、説明が書かれています。
　たとえば「間者」（かんじゃ：スパイのことですね）は、「大将、工兵ニカチ其他マケ」、「砲台」は、「ヒコーキ、ヒコー船、攻城砲、工兵ニマケ地雷ハ勝負ナシ其他ハカチ」と書かれています。
　それ以外にも勝ち負けの説明に出てくる種類のカードがあります。
　「大将」「地雷」「電信隊」「少将」「毒瓦斯」「射撃砲」「軍医車」「攻城砲」です。けっこう分類が細かい。プレイしながら戦争について詳しくなれそうです。

　イラストと役職名のほかに、カードによりますが、国旗、漢字の国名、星と錨のマーク（陸軍と海軍）が入っています。あとは+5、+20などの数字と、4けた～5けたのシリアルナンバーのような数字が入っています。
　
　

　丸い「めんこ」は、同じような絵柄のものをまとめてご覧いただきます。
　軍人の顔のイラストです。だいぶ渋めの絵柄です。
　右上のめんこは、よく見ると「鉄砲」という文字が書かれています。

　拡大してみます。背景の、後ろ姿の人物と煙と戦車らしきマシンも気になりますが、なぜか「鉄砲」の文字。これは、兵隊さんだから鉄砲というわけではないようです。
　ほかの4枚にも文字が書かれています。3枚には「狐」、残りの1枚は「庄屋」です。丸い形のせいで字が半分くらい切れているものもありますが、書いてある字がご覧いただけるでしょうか。
　狐・鉄炮（猟師）・庄屋といえば、「狐拳」（きつねけん）という、じゃんけんみたいな遊びの「手」です。きつね（狐）は、鉄砲にうたれるけど、庄屋さんを化かす。猟師さんは庄屋さんに頭が上がらない、みたいな「三すくみ」になっています。
　話がそれますが、狐拳をするときは、掛け声に合わせて上半身（おもに腕）でポーズをとります。狐のポーズには、頭の横に手をもってきて耳を表現するのと、ねこパンチみたいな手の形で前足の感じを表現するのと2種類あるようです。
　漢数字も書かれていて、これも遊びに使えそうです。

　飛行機？のイラストに、「ホルトマン式」「ヲジール式」「トウモリ式」「タルレル式」の文字があります。これにも漢数字が書かれていますが、「六千万億」「九千万億」と、かなりインフレしています。

　それ以外をまとめてご覧いただきます。
　上段左の人物には「部隊長」の文字が添えられています。上段中央のめんこには「狐」「三十三」の文字が入っています。
　中段左は「鉄砲」「九千万点」、中段中央は「狐」「八千万点」、中段右は「兵庫行」です。
　下段左は「加藤清正」「三十万石」「庄屋」と書いてあります。下段の残り2点は、ちょっと読むのはきびしいかな、と思ったのですが、

　鮮明度、コントラストなどを調整すると、文字がすこし読みやすくなりました。
　右下に漢数字の「八」、最下部に「庄屋」の「庄」の字が見えます。
　左端の「敵機撃退（撃遂？）」と読めそうな文字も浮かびあがってきました。

　こちらは、「飛行船」と「飛行機」の「競争」です。漢数字の「六」、「五億万兆（？）点」「鉄砲」の文字と、飛行船と飛行機のイラストが見えます。

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