第31回戦災・空襲記録づくり東海交流会が開かれる。
運営委員 金子 力

2015年12月13日(日)、東海地方の戦災と空襲を記録している市民団体が年1回開いている交流会が「ピースあいち」で開かれました。今回の特別報告は3本ありました。
「豊橋空襲を語り継ぐ会」からは、2000年以降に市民から寄せられた54編の体験記と31点の体験画をまとめた『続 豊橋空襲体験記』を出版したことの報告がありました。また、豊橋市が作成した複数の資料を分析して、これまで空襲犠牲者とされてきた624名のうち611名の名前が明らかになったことが報告されました。
続いて「ピースあいち」から「語り継ぐために―ピースあいちの取り組み」と題して、戦後70年を迎えて市民から寄せられた実物資料や体験記等の企画展示を取り組んだこと、SEALDsと平和や民主主義について話し合いを持ったところ若い世代の参加が目立ったこと、小学生が祖父から聞いた戦場体験レポートが出版されたことなどの報告がありました。
3つめは、愛知県と名古屋市が新たに設置した「愛知・名古屋戦争に関する資料館」の展示状況、上映中のビデオについて愛知県史執筆者から報告があり、NPOが設立・運営している「ピースあいち」の果たす役割などが話し合われました。
各地の参加団体からは1年間の調査活動、戦争展、出版、戦跡見学会など多彩な活動が報告されました。報告団体は岡崎・静岡・半田・岐阜・小田原・豊田・豊川・ピースあいち・戦争遺跡・日朝・あいち戦争展・春日井・三重・瀬戸の14団体でした。交流会終了後も団体ごとの個別の交流がなされ、来年の再会を約束して会場をあとにしました。
会場では、今年発行された関連書籍の販売も行われました。主なものは『続豊橋空襲体験記』、『年魚市風土記7号』、『戦時下・愛知の諸記録2015』、『半田の戦争記録第三集』、『かけはし3号―亀山列車銃撃事件―』『マンガあとかたの街全5巻』、工藤洋三『日本の都市を焼き尽くせ―都市空襲はどう計画され、どう実行されたか』、『未来につなぐ モノが語る 静岡の戦争』、『フィールドワーク豊川海軍工廠』等でした。
詳細は8月発行予定の『空襲通信』18号に発表されます。