「手塚治虫記念館」に行ってきました。6月30日 ボランティア 浅井和子



宝塚にある「手塚治虫記念館」に行って来ました。「地上最大の手塚治虫展― 手塚治虫記念館開館20周年記念」の最終日 でした。
入り口には「火の鳥」の像があり、宝塚市平和モニュメントとして1989年3月7日非核平和都市宣言のプレートが掲げられていました。宝塚市の平和の思いが込められていました。
手塚治虫は5歳から25歳までを宝塚ですごしました。玄関にある「りぼんの騎士」は幼い頃母に連れられて見た宝塚歌劇団がベースになっています。手塚治虫は60歳で亡くなるまで約七百点のマンガを書き、命を軽んじる心なき科学技術の発展はかならず人類を滅亡させ、地球を滅ぼすという哲学のもとマンガを通じてメッセージを伝えています。そんな哲学が彼の作品のなかに流れていることを読み解く展示でした。一つ一つの作品にはあふれるほどの命のメッセージがこめられていました。少し紹介します。
「マンガには役割があります それは世の中の道徳とか観念をひっくり返すことなのです(グリング)。」
「ぼくのマンガは大阪大空襲と8月15日が原点だ~(ぼくのマンガ人生)」
「『生きていてよかった』という感慨のなかで8月15日の夜、阪急百貨店のシャンデリアがパーッとついている。外に出てみると、一面の焼け野原なのに、どこに電灯が残っていたかと思えるほど、こうこうと街灯がつき、ネオンまでついているのです。それを見てぼくは立ち往生してしまいました。ああ、生きていてよかったとそのときはじめて思いました。」
その体験が手塚治虫の基本的なテーマになっています。
「アドルフに告ぐ」はある出版社から戦争体験を書いてほしいとの依頼から取り組んだ作品ですが、それだけにとどまらず現在の社会不安の根本原因が戦争勃発への不安であり、にもかかわらず状況が逆の方向へ流されていることへの絶望に対するメッセージも込めた作品になりました。
「なんとしてでも、地球を死の惑星にしたくない。未来に向かって地球上のすべての生物との共存をめざし、むしろこれからが人類のあけぼのなのかもしれないとも思うのです(ガラスの地球を救え~21世紀の君たちへ)」
手塚治虫最後のメッセージです。マンガの登場人物が語る言葉に深い思いが込められています。どのマンガにも「命の尊厳」というテーマが流れているように思います。手塚治虫の思いやりのある作品に込められたやさしさは、子どもたちに生きる希望を与え時代の流れを変える、そんなエネルギーを感じました。