2013(平成25)年度 語り手の会の活動―聞き手は7,484人 運営委員 竹川日出男 



 「ピースあいち」語り手の会の活動も5年目に入り、3つの柱の取り組みとして定着してきました。

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☆ 平和学習支援事業
 戦争に関する資料館調査会(愛知県・名古屋市で設置)から受託して、愛知県下の小中学校を巡る事業で、本年度は名古屋市のほか田原市、豊田市、一宮市、あま市など13校(小学校10校、中学校3校)で実施し、1,386人の児童・生徒らが聞いてくれました。
☆夏の戦争体験を語るシリーズ
 2013年の夏は8月1日から15日までの間に9回開催しました。聴衆は全体で404人に上りました。

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☆その他の語り活動
 上記のほか、日進市や東海地区の小中学校や各種団体からの要請に応えて語り手を派遣したり、ピースあいちを訪れた学校・団体に対して戦争体験を語る活動を行いました。聞き手は50団体、5694人に達しました。

 この結果、実施した語り事業数は63回、聴衆総数は7,484人に上りました。
 本年度の特徴は、以下の通りです。
①  前年度に引き続き、日進市からの依頼により市内の小中学校12校へ語り手を派遣しました。参加生徒数は1,706人に上りました。
②  戦争体験者が高齢化していく中、若い世代が語り継げるように、その体験をシナリオ化する事業を引き続き実施しました。

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③  語り手の皆さんが日頃語っている戦争体験の内容を文章化し、記録するため、『語り継ぐ私の戦争体験・第二集』を発行しました。
【ご購読希望の方は、「ピースあいち(TEL:052-602-4222)」までお知らせ下さい。】

 語り手の皆さんと学校へ出かけ、体験談を聞いた子どもたちの様子を見ていると、多くの子どもたちは戦争の実態に衝撃を受け、感じたことを素直に書いてくれます。
 戦争は、大人たちだけでなく、子どもたちにもその勉学や食べ物などの生活に大きな影響を与えたことを理解し、もう二度と戦争は起こしてはならないとの思いを伝えてくれます。体験者の話を聞くだけでなく、自らも伝えていきたいとの意欲を示す子どももいます。
 語り手の皆さんは、このことに励まされ、まさに命を賭して頑張っていただいていると思っています。

■戦争体験を聞いた子どもたちの一口感想から

第二次世界大戦についてのお話を聞き、胸が痛い思いをした。何も知らない国民、間違った指導者。国が敗戦して、いろいろなものを失う戦争。これからも戦争という恐ろしく悲しい出来事を繰り返してはいけないと改めて思ったし、自分達が犯した罪を償わなければいけないとも思った。  (中学2年女子) 

命の大切さや人々の大切さがとても分かった。命の大切さを知って、これからは人に優しく接しられるようにしたい。そして、命をくれる動物達にも感謝の心を忘れないようにしたい。  (小6年女子)

戦争は絶対にしてはいけないものだと思いました。今後は、ぼくたちが大人になっていろんな人に伝えていきたい。  (小6年男子)

戦争についてとてもリアルな話が聞けて良い体験ができたと思ったし、改めて戦争はしてはいけないと思った。今日聞いた話を大人になったとき、自分に子どもができたときに、きちんと話して、「もうこんなことは二度と起きてはならない」ということを分かってほしいと思いました。  (中学3年男子)

戦争とはこういうものだったんだ、という実感がわきました。これから私たちが大きくなって大人になっても、堂々と胸をはって「戦争は反対だ!」といえる人になりたいです。  (小6年女子)

今まで知っていたことに加えて、さらに戦争時の状況や食べていたものなど細かなことまで知ることができたので、ためになったと思う。また、今回の話で戦争に反対する気持が大きくなった。戦争はいけないとは思ったが、今起こっている尖閣諸島などの問題も下手をしたら戦争につながってしまうのではないかと思うと他人事には思えなくなった。  (中学2年男子)