◆ドイツ 平和と歴史の旅◆ベルリン・ドレスデンを見学     運営委員 吉岡 由紀夫



 年末の2013年12月24日~31日の8日間、ベルリン(近郊も含む)・ポツダム・ドレスデンの戦争遺跡、歴史記念館等を見学する『ドイツ 平和と歴史の旅』(主催:愛知県教職員労働組合)に行ってきました。ドイツの戦争責任、脱原発、歴史教育に対する取り組みを見学することができることを念願していました。教員との交流会も企画されていました。以下2カ所の収容施設の感想を書きます。

絵はがき

 ドイツでは加害の集中的な場所としての主な強制収容所跡はすべて、歴史記念館として保存公開されているそうです。ベルリンの北80kmにあるラーフェンスブリュック強制収容所を見学しました。ここには、1939年~1945年まで約13万人(ユダヤ人15%、一番多いのがポーランド人ですが、ヨーロッパ各国からも連れてこられていた。大半が女性)が収容され、殺されたり、食料がなかったり、強制労働等で3万人が死亡しています。収容所の中で強制売春も行われていました。地元住民は強制収容所をつくることに参加し、当時のドイツ人も強制収容所の存在を知っていました。現在収容所はブランデンブルグ州が管理しており、中学・高校生も授業の一貫として見学しているそうです。

絵はがき

 29日の日曜日にフリーの時間が半日とれたので、どうしても行きたかったベルリンの北方30㎞にあるザクセンハウゼン強制収容所(総面積は190ヘクタール、約20万人を収容)を見学しました。ヨーロッパ各地からバスで来ている団体客や、小学生ぐらいの子どもを連れてきている家族連れなど、たくさんの見学者にびっくりしました。年末のこの時期に戦争の加害の事実を知ろうとする考えや気持ちを少し聞いてみたくなりましたが、できませんでした。収容されていたのはユダヤ人、共産主義者、社会主義者、労働組合活動者、ナチの政治的敵対者などです。戦後はソ連が反ソ連の活動をしていた人々を収容所として利用していました。

 収容所の入り口には「ARBEIT MACHT FREI」(働けば自由に)の看板がかけられています。収容施設には風呂やトイレ等が設置されていますが、とてもお粗末なものでした。絞首刑場、ガス室、人体実験室、死体焼却施設等も設置されていました。約3時間見学しましたが、とても広くて時間が足りませんでした。