2013年夏 「ピースあいち」と「あいち平和のための戦争展」にて          
    金城学院中学  中田 路美



絵はがき

「わたしの聞いた戦争 見たヒロシマ」

 金城学院中学校3年生の総合的な学習の時間のテーマは『平和を実現する~そこには人がいる』です。
 広島への修学旅行の前に、3つのひろしま(軍都廣島、被爆地ヒロシマ、現在の広島)について学びます。DVD『夏服の少女たち』やまんが『語り継ぐ戦争の記憶』を用いながら、心でも理解できるように心がけています。
 そして、広島で実際に見聞きしたこと、感じたことや考えたことをもとに、一人一人が「平和新聞」を作成します。完成した平和新聞は文化祭にて展示し、クラスごとに冊子にまとめられます。8月、「ピースあいち」に展示させていただいた平和新聞は、2012年度中学3年生の平和新聞です。

「あいち平和のための戦争展」オープニングイベント
「おかえりなさい 名古屋空襲ピアノ」 68年を超え 甦る音色

絵はがき

 「あいち平和のための戦争展」。今年は8月11日(日)から14日(水)まで開催されました。場所は、いつもの名古屋市公会堂。今年のオープニングイベントは、『「 おかえりなさい 名古屋空襲ピアノ』68年を超え 甦る音色」と題し、名古屋空襲で傷ついた後、修復されたピアノを用いて、演奏と合唱によるコンサートとなりました。
 名古屋でこのピアノが演奏されるのは、今回が初めてです。ピアノの演奏は、金城学院中学校3年千葉由紀恵さん、合唱は同校3年グリー有志の生徒、司会進行は同校ペンクラブがお引き受けすることになりました。

 なぜ今回このようなイベントが、開催されることになったのでしょう。
 ピアノの所有者は、戦後、広島に転勤。ピアノも広島に。長い年月が流れ、所有をされている方もご病気に、ピアノも老朽化。ピアノは廃棄処分の運搬トラックに載せられていました。
 ふと運搬の方に思いあたることがありました。「矢川さんなら修復できるかもしれない」。
 矢川光則さんは、広島で被爆したピアノを修復し、各地で「被爆ピアノコンサート」の機会を作って平和運動されている方。名古屋空襲ピアノは、矢川さんの手によって修復され、音色を取り戻しました。

 金城学院中学校は、毎年、修学旅行で広島を訪れ、平和教育の一環として「被爆ピアノコンサート」を開いてきました。その際、矢川さんから名古屋空襲ピアノの存在をお聞きし、それを「あいち平和のための戦争展」に紹介させていただいたのです。同校ペンクラブは、この戦争展に毎年参加し、その内容を文化祭で展示報告していました。
  今回のコンサートでは、傷ついたものの修復されたピアノが、戦争や震災などで傷ついたものの再生を願った曲を奏でました。平和への思いをこめ…。
 コンサートでは、敗戦の名古屋を力強く生きてこられた、きんさんぎんさんのお嬢様たちのお話もうかがうことができました。