◆名古屋にある軍馬軍犬軍鳩慰霊碑◆ ボランティア 林 收
ピースあいちの児童向け準常設展として「戦争と動物たち展」があります。 一旦戦争となれば人間ばかりでなく、動物も出征させられ生命の危険にさらされます。この展示はそのことを訴え、戦争について考える機会を提供しています。

軍馬軍犬軍鳩慰霊碑(正面) 2012.1.27撮影
生を受けた後、国家という組織を何ら意識することなく飼主から愛玩されたり、主人の求める通常の使役を果たしたりして、天寿を全うするはずの動物たちも戦争遂行の犠牲になりました。
その軍用動物の戦死を供養するため軍馬軍犬軍鳩慰霊碑が昭和14年6月に建立され、現在も残っています。
名古屋城南外堀本町橋北東橋詰にあって、歩道際の柵から30メートルほど奥に分け入らないと見られません。

軍馬軍犬軍鳩慰霊碑(背面) 2012.1.27撮影
絵馬風の形をした石碑には、中央に馬、左下にシェパード犬、右上に三羽の鳩が彫られ、上部の文字は右から左に「軍馬軍犬軍鳩慰霊碑」と読めます。台座にある「第三師団」は、この地にあって兵士と共に動物たちを戦地へ派遣した所属師団名だと思われます。
3年前ここに寄ったときは、碑の後方にダンボールハウスがあって定住者が居たようなので後ろへ回ってみることはしませんでした。現在は「小屋がけ禁止」の立て札が効いてか、ダンボールやテントは全部取り払われていたので裏側も読むことができました。
それによると建立に与ったのは、建設代表者として愛知県畜産組合聯合会のほか賛同して資金を拠出した個人・団体19の氏名・団体名が彫られています。
ピースあいちの展示では兎も軍用に徴発されたようですが、この慰霊碑には加えられていません。
馬・犬・鳩は戦場に送られても必ず死ぬとは限らないのに対し、兎は毛皮や食肉という形で死んでお役に立ったはずなのに、ちょっとウサギさんが不憫に思われました。