◆常設展から◆ 「靖国の子-戦争遺児 八巻春夫君」      ボランティア  井戸 早苗


<br />ピースあいち常設展示より「靖国の子」

パネル「靖国の子」 ピースあいち常設展示より


 私が心ひかれる写真は、戦時下のくらし 出発と帰還「C-3 靖国の子-戦争遺児 八巻春夫君」の写真だ。父は戦死、母も死亡。
 緊張し涙していることさえ忘れた張りつめた顔。低学年の子どもを上京させ、記念品を渡し世論をつくる、その無神経さ、怒りと深い悲しみを感じる。

 私の近くにも これと同じ状況におかれた方もたくさんいる。
 小学3年(国民学校)の時、南方で亡くなった父親の遺骨を伯父さんに伴われ(母は死亡)長女である自分が軍港“呉”まで受けに行った。軍港ちかくに汽車が入ったら窓がしめられ、外がみえないように暗い状況になり怖かった。もらい受けた白い木箱の中は遺骨ではなく石であったと・・・。その心情を思うと涙がとまらなかった私。その後、弟2人は父方、母方の親類へバラバラにもらわれていき、成人してから兄弟の交流が始まった、と聞いた。

 又、両親をなくし、施設におくられ、兄弟、妹と生活し苦労した友人。夫がなくなり、生後すぐの赤子を置いて実家にもどされ成人した時、再会した親子の話。

 自分の幼い時期の体験が重なり、心が痛むのです。

<br />「戦時下の暮らし」ピースあいち2階展示室

ピースあいち展示 「戦時下の暮らし」