愛知サマーセミナーで名古屋空襲パネル展示 ~東海高校と風船爆弾~   熊本亮子


 今年で3回目の参加となる愛知サマーセミナーで、7月16日から18日の3日間名古屋空襲のパネル展示を行いました。会場は名古屋市東区の東海高校。長い廊下に並べたパネル31枚を、愛知県下から来た多くの中高生や市民の方が熱心に見学していきました。


 パネルの内容からは外れますが、実は東海高校の講堂は戦時中、軍に接収され風船爆弾を作っていたことはご存知でしょうか。風船爆弾とは和紙を張り合わせて作った直径約10メートルの気球で、時限爆弾や触ると爆発する機雷のようなものをぶら下げ放たれました。風船爆弾は偏西風にのって太平洋の上空へと飛び、アメリカ本土を攻撃する兵器でした。これは名古屋だけでなく、日本のほかの場所でも作られていて、学徒動員や挺身隊の女学生たちが過酷な製造作業を強いられていました。9000発以上が作られましたが、多くは海に落下してしまいました。
 しかし昭和20年5月、オレゴン州の牧場に一つの風船爆弾が飛来して爆発、ピクニック中の子どもたち6人が犠牲になりました。これは真珠湾攻撃後、アメリカ本土が受けた初めての空襲でした。この時の風船爆弾が日本のどこで作られたものかは分かりませんが、女学生たちが学徒動員で製造した一つだったのでしょう。

 展示を見に友人と連立ってぞろぞろとやって来る生徒たちは、自由な様子でパネルに向かい合っていました。あとで感想を読むと「名古屋で空襲があったとは知らなかった」と幾人もが書いていました。この地には戦争で市民を巻き込んだ無差別な空襲で多くの犠牲者があり、また日本の起こした戦争に戦闘機生産地として大きく関わっていて、アジア・太平洋地域でどれだけ大きな犠牲をもたらしたか、と知ってもらえたでしょうか。同じ過ちを繰り返さないよう、学校という学びの場が、再び兵器製造所になってしまわないよう平和を大切にと願う気持ちで、子どもたちの背を見つめました。