日本の宝は「憲法9条と憲法11条」◆戦争体験を語り継いで…
ピースあいち戦争体験を語り継ぐ会会員 富田 祥子
先日、「名古屋難民支援室」とNPO法人「地域と協同の研究センター」などの企画で学習会が開催され、「平和・戦争と難民」というテーマでお話をさせていただきました。
6月20日は国連が定めた「世界難民の日」でした。地球上には日本の人口と同じくらいの難民がいるとの事。世界の平和が脅かされ、今以上に戦争や内戦など起きたら難民の数はもっと増える事でしょう。

1945年8月(私が3歳の時)に戦争が終わり、北朝鮮で生まれた私は母、祖母、妹の4人で命からがら引き揚げてきた体験を話しました。その話を聞いてくださった難民のお一人は、「日本に来るまでに恐怖におびえながら真っ暗な森の中を逃げ惑ったことを思い出した」と言われました。
もちろん私の祖父母や両親の時代に日本は台湾、東南アジア、中国や朝鮮半島に力ずくで進出し、現地の人の土地や財産、時には命まで奪ったことも話しました。当時、多くの日本人が日本の植民地支配と国策によって大陸に渡り、その中に私の祖母や両親もいました。
そして敗戦と同時に国家(日本)からの保護を一切失い、命の危機に瀕しながら引き揚げなくてはならなかったことは80年前の出来事ではなく、現代の難民の状況と本質的に共通(根っこは同じ)していると思います。
いつの時代でも、避難民も難民も権力の暴力によって生まれます。戦争はその時代に生きる人々の人権を踏みにじる行為です。一人ひとりの人権が守られる状態を「平和」と言うのだろうと思います。
当日は、韓国からの留学生も参加して私の話を聞いてくださいました。そして、「私たちは抽象的な概念である「平和の重要性」について日ごろ忘れて生きているように思います。でもその大切さを改めて感じ、平和のために自分自身や身の回りの人々に私ができることについて考えていけたらと思う」という感想を述べていました。

81年前に戦争が終わった日本は、空襲、原爆投下などで多くの犠牲者や戦死者を出すなど悲惨な体験をしました。その体験から、2度と戦争をしないという戦争放棄(憲法9条)の憲法を作り今に至っています。戦争になったら一番に侵されるのが人権です。戦争は人の心を奪い、人が人ではなくなってしまいます。 今の日本には、大人も子どもも外国の人々の人権も大切にするための憲法11条があります。戦争放棄を謳った憲法9条と人権を大切にすることを謳った憲法11条は日本の宝だと思います。その宝を大切に守って行く事が、今生きている私たちの役目だと思います。