意思を引き継ぐ―「戦争体験を語り継ぐ会」例会に参加して
クレイン英学校代表・NPO法人U-CRANE理事長  原田 貴之

                                           
 

 當山菊子さんのお話から、強く感じた使命感。平和という抽象的な概念を具体的な活動へとつなげるべく、2022年より始めた広島でのクレインピースキャンプ。戦後81年の夏、私たちは今年初めて沖縄を訪れる。その2日目に訪れる糸数アブチラガマでガイドを務める當山さんが講話をされるということで、ピースキャンプ参加者の中高生9名とともに例会へお邪魔させていただいた。
 名古屋の若者たちにとって沖縄の歴史は遠い存在だったため、講話前に阪井芳貴先生からうかがった琉球王国から現代までの「4つの世変わり(ゆがわり)」の解説は、沖縄が自らの意思とは関係なく社会を変えられてきた歴史を分かりやすく伝えてくださった。
 県民の4人に1人が犠牲となった沖縄戦。砲弾におびえながらガマで過ごす日々を想像することは難しい。當山さんが戦争体験者から引き継いだ証言を聞き、実際にガマの中に立つことで、私たちは初めて当時の状況を想像し、戦争の恐ろしさと平和のありがたさを実感できるだろう。
 例会に参加されていた戦争体験者の方々も、戦争の歴史を学ぼうとする若者たちがいることを喜び、「戦争は絶対に起こしてはいけない」と力強く語られた。その思いを受け止め、未来へつないでいくことが私たち世代の責任なのだと改めて感じた。

展覧会場の様子1

 これから沖縄へ向かう生徒たちが、當山さんのようにその意思を引き継ぎ、未来の平和をつくるピースメーカーとなってくれることを心から願っている。
以下、参加生徒の声を紹介します。
「當山さんのお話には、これまでピースアカデミーで訪れたアウシュヴィッツ強制収容所やベトナムで聞いたお話と重なる点がいくつもありました。『人間らしさが戦争によって失われる』という言葉や、プロパガンダや教育によって人々の考え方が偏ってしまうという話は、これまで学んできた内容とも共通していました。地球上のどこで戦争が起きても、人々に同じような悲惨な影響を及ぼすことを強く感じました。だからこそ、相手の気持ちに寄り添い、戦争は決して起こしてはいけないと思いました。」
「今回のお話を通して、トラウマの恐ろしさを感じました。体験を語ることへの抵抗を乗り越え、未来の平和のために証言してくださる戦争体験者の言葉がどれほど貴重かを改めて実感しました。その平和への願いを決して無駄にせず、私たち自身が語り継いでいかなければならないと思いました。」