講演「寄贈品から見た戦場」を聞いて
ボランティア 杉江 加代子
1月24日、戦後80年、13回目を迎える寄贈品展に関連する講演会を愛知学院大学文学部歴史学科准教授の広中一成先生にしていただきました。
寄贈品展を開催する時、資料班のボランティアがまず必ずするのは、戦争遺品についての寄贈者からの聞き取りです。始めのころは当事者から空襲の恐ろしさや戦時下の耐乏生活の餓えのことなどを様々な体験として話していただけました。戦後80年の今は、それらを伝え聞いたお話か、そもそも遺品のそのものの由来が不明なことが多くなりました。
今回、広中先生に展示されている日中戦争に徴兵された方の足跡や時代背景などを多面的に紐解いていただき、理不尽に戦場に行き死ななければならなかった兵士たちの姿を思い浮かべる事ができました。また彼らが徴兵されて行った中国は他国の領土であり、彼らは戦争の被害者でもあったけれども中国人から見れば侵略者であったという事実から目を背けることはできないと知りました。とかく被害者であることが強調されがちですが、認識しておかねばならない視点です。
講演を聞きながら1947年生まれの私は、駅前や祭りで募金箱を前に手足のない姿をさらしていた白衣軍帽の傷痍軍人を思い出していました。こうした個人の微々たる記憶も含めて戦後80年、記憶が歴史の一部になってしまう前に遺品から戦争の体験を聞き取り継承していかなければと思いました。講演は、いつも地味に遺品に向き合っている資料班の素人ボランティアとしてはまたとない勉強の機会になりました。