第13回寄贈品展によせて◆戦後80年 時をつなぐモノたち
ボランティア 寺島 雅恵
第13回 寄贈品展「戦後80年 時をつなぐモノたち」が12月2日(火)から開催されます。今回は2024年7月から2025年6月までに寄贈された158点を寄贈者別に展示します。

今年は31名の方から資料の寄贈がありました。寄贈品は戦争を経験した人々の生の声を集めたものです。兵士、市民、子どもたち、それぞれの立場から語られる物語です。この資料を通して私たちは過去から学びます。
寄贈者を担当分けし、自分の担当の寄贈者が決まったら、資料の来歴やエピソードを尋ね、まとめたものを目録の説明文やキャプションなどに使います。説明文を作る際の聞き間違い、言い間違いなど寄贈者の方との思い違いが生じないよう、寄贈者に書いていただく場合もあります。寄贈者の思いなど寄贈品を通して感じることは、たいへん難しいことですが、一番大切なことは資料についてできる限り調べて、寄贈者のお話を聴くことです。
しかし戦争体験者の高齢化により、今回は本人からの寄贈は2名でした。兄弟・子ども世代20名、孫世代5名、その他4名合計31名です。寄贈品は家の整理をしていた時に見つけたケースが多くみられ、それらの遺品については寄贈者もわからないことが多いです。
ピースあいちで今開催している企画展「戦争の中の子どもたち」「戦争と動物たち」の中にも出てきますが、戦時中の動物園で猛獣がどのように処分されたか。朝日新聞10月10日「ひと」欄に戦時中の「猛獣処分」の全体像を調べた在野の研究者の話が紹介されていました。
父親が動物園の飼育員で、ゾウ舎の横に暮らし、殺処分を見守った男性を新聞記事で見つけ、連絡を取って、「語り継がないとなかったことになってしまう」と説得し、その男性は「子どもたちに知ってもらいたい」と証言してくれた。全国の動物園を調べ、少なくとも14か所の動物園で144頭が処分されていたことを突き止めた、といいます。「動物園で動物が見られるということは、今が平和ということ。この環境がいつまでも続いてほしい」とありました。
ガザは、今停戦していますが本当の終結になるのでしょうか。10月13日に全人質解放になり良かったのですが、これからどうなっていくのでしょうか。戦争を始めるのは簡単に思えます。戦争は一度始まると容易に終わらせることができなくなります。
寄贈品から戦後80年を感じ、平和な未来を子どもたちのために残したいと思います。