2024年の年頭にあたって
ピースあいち館長  宮原 大輔





 

 地震、事故、火事と厳しい年明けとなりました。被災された方々に心からお見舞を申し上げます。

 ウクライナ戦争が始まってもうすぐ2年になろうとしていて、ウクライナの兵士約2万4千人、総数3万人が亡くなりました。停戦の兆しはまだ見えていません。イスラエルによるガザ侵攻では昨年10月以降2万人が亡くなりました。毎日100人の子どもたちの命が奪われています。この子どもたちは血を流すためにこの世に生まれてきたのでしょうか。そして「私たちは数ではない」という叫びに世界は耳を澄ます必要があると思います。

 戦争だけはいけない。これは戦争でアジア諸国に多大な損害を与え、国内にあっては街を焼かれ肉親を失った日本人の総意でした。この総意が戦後80年近くにわたり日本が戦争をしなかった源泉でした。この思いを再確認したいと思います。
 戦後79年の年に日本が再び戦火を交えることのないように、そして世界の戦争が一刻も早く終わるように願わずにはおれません。

 今年はピースあいちが設立されて17年目を迎えます。コロナ禍の3年間で来館者が大幅に減少しましたが、ようやく回復する兆しも見えています。常設展の改善に取り組み、一昨年来展示の英語翻訳を進めて、館内WiFiを使って展示の英語表記が読めるようになります。企画展やイベントもいろいろと計画して、皆さんの来館をお待ちしています。

 戦争体験者の高齢化に伴って、実体験を語れる方が急速に減ってきました。ピースあいちでは戦後世代が戦争体験を語り継ぎ、次の世代につなげていく活動にいち早く取り組んできました。

 来年は、戦後80年の節目の年となり、さらにその2年後にはピースあいち開館20周年を迎えます。ピースあいちの役割は小さくなることはなく、次の10年も引き続き安定した運営ができるよう力を尽くしていかなければなりません。施設の面では、開館後15年以上を経て、電気、空調などの設備の更新の時期を迎えています。これからは毎年100万円単位の支出が続いていくものと思われます。

 ピースあいちの維持運営の支えとなっているのはNPO会員の皆さんです。しかし近年、会員の皆さんの高齢化に伴い、会員数が最大時の7割くらいに減少しています。新会員を増やして経営基盤を固めることが急務となりました。今年はあらゆる機会を通して新入会を呼びかけていきます。会員のみなさまにも、まわりの方々にお誘いいただきますよう、ご協力をお願い致します。

 そしてこの1年、コロナ禍を克服して、ピースあいちに以前のような賑わいを取り戻していきたいと思います。