ピースあいちを見学して
日本キリスト教団 愛知教会員 山中 延子





 

 愛知教会の教会学校は、毎日曜日(9時~10時)礼拝を守り聖書の学びを行っています。今回夏の行事である「夏のつどい」を企画し、テーマを「平和」(聖句 平和を実現する人々は幸いである その人たちは神の子と呼ばれる マタイによる福音書5章9節)とし、平和を実現する人としての歩みについて考える機会にしたいと「ピースあいち」の見学を企画しました。

 8月19日(土)に中高生5名と教師4名で訪問しました。常設展示場はもちろんの事、夏の特別展「新美南吉の生きた時代―文学と戦争と平和」と「作って鳴らそう、<貝殻笛>」も楽しませていただきました。
 常設展示室での赤澤さんの丁寧な解説と展示品、パネル等がとても素晴らしく、その中で私が驚いたところは、その当時の暮らしの部屋が再現されていた所です。常設展示室にある、焼夷弾が落とされまる焦げになった天井が残されているのをみて、すでに炭化しているのによく残されていたなあと思いました。
 今を生きている私たちの記憶から薄れていく「戦争がもたらすもの」を資料として集め保存し、そして語り継いでいく、このピースあいちの働きを支えていく事こそ平和を実現する第一歩ではないかと思いました。

参加した生徒の感想です。

「当たり前の大切さ」
 私たちが今生きている場所で、数十年前にはこんなに悲惨な事が起きていたということに本当にびっくりしました。教科書などで戦争があったという事実は知っていましたが、当時実際に使われていた服や靴など肉眼で初めて見ました。写真など正直とても驚きました。その写真がたくさん貼られていた中での「目をそらさないでくださいこれが戦争です」という文言がとても深く心に突き刺さりました。戦争は本当に恐ろしく、現実で起きていたということは想像したくないですが、これからも起こさないために私たちは戦争があったという事実から目をそらしてはいけないと、強く思いました。
 新美南吉の展示館では新美南吉の生涯とともに、戦争の背景が映し出されていたことが、強く印象に残っています。もし新美南吉が現代に生きてのびのびと文学と向き合っていたらと考えると、とても切なくなります。
 この夏のつどいを通して、改めて平和とは大切であり、そして当たり前のことではないと思いました。今は幸いなことに日本では戦争がなく平和な毎日を送っています。その当たり前に感謝したいです。平和が当たり前の世界が一日でも早くこればいいなと思いました。