平和スタディーツアー◆高校生フェスティバル
愛知高校生フェスティバル  丹羽  宏文






 

 今回、「高校生フェスティバル」という愛知のさまざまな学校の中高生が集まった団体が、戦後78年の時代を生きる若い世代が平和のためにできることは何なのかをしっかりと学び、考えるために、8月27日(日)、28日(月)に平和スタディーツアーを行いました。
 さまざまな場所で戦争について学ぶうちの1つのコースとして、ピースあいちで平和を学ぶ取り組みを行いました。ピースあいちでは、東海高校の西形先生が名古屋空襲についての説明を行ってくださいました。

 焼夷弾の説明では、実物を使って説明してくださいました。実物を見ることで、頭上から焼夷弾が降ってくることの怖さを生徒達は感じているようでした。また、パネルを使った説明により、名古屋空襲が他の地域の空襲に比べてどういった点で「特別」だったのかを学ぶことができました。東京大空襲に次いで使われた爆弾のトン数が多いこと、夜間に低い高度から無差別で攻撃されたこと、大都市の中で唯一2度の爆撃を受けたことなど、教科書にもなかなか出てこない名古屋空襲の実態を学ぶことができました。
 他にも、原爆投下の練習として名古屋に模擬原爆が落とされた話など、知らないことを次々に知ることができる貴重な時間となりました。

 ピースあいちの展示は名古屋空襲をグラフや写真などさまざまな目線から学ぶことができるので、講師の西形先生も展示を使った説明にどんどん熱が入り、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
 空襲の話以外にも、戦争中の日本が中国・朝鮮で行ってきたことの説明もしてくださいました。「戦争の歴史、加害と被害の両面を知ることが他国と対等に分かり合うために必要」という西形先生の言葉は、これからを担う生徒達にとって大切な言葉になったのではないでしょうか。


 何人かの生徒が終わった後に、「ピースあいちにまた来て、もっといろいろなことを見たい」「西形先生の話を聞いてより学びたくなってきた」「名古屋空襲ということも知らなかった。自分の住んでいる地域でこんなことがあったのを知れたのは意味があった。今日は来てよかった」と言っていました。西形先生がまいてくださった平和への想いが、生徒達の心にもしっかりと伝わる内容となっていました。
 休館日にも関わらず、生徒達の学びのためにピースあいちを開けてくださったみなさまにも感謝いたします。多くの方々に支えられ自分たちが学べていることのありがたさも生徒達は感じており、スタディーツアーでの学びにもより一層力が入っている様子が見られました。