ピースあいち訪問記◆今起きていることをどのように綴るのか
半田市在住  荒田 治彦






 3月19日(日)、休館日にもかかわらず、語り継ぎ手の岡田さんとの縁で、横浜の友人一行と見学させていただきました。
 私は現在半田市に住んでおり、この地も空襲にあったことは半田図書館の展示や赤レンガ倉庫を見て知っていましたが、名古屋市は軍需施設にとどまらず、市街地全域が爆撃対象となり、焼け野原になったことに戦慄を覚えました。
 また、企画展「地図と写真で見る名古屋と戦争」で、当時の日米の圧倒的な情報差を知り、愕然としました。なんと無謀な戦争を起こしたのでしょう。

 私と横浜の友人は、広島で生まれた被爆二世です。私の母は小学生の時に被爆しました。空襲警報が解除され、校庭に整列している時に「ピカ」を見たそうです。
 幸い爆心を山が遮る場所にいたおかげで、本人は直接の被害を免れましたが、被爆後に市内から避難してきた人々を、一時的に救護する場として、家で介護した記憶が、母の中に深く刻み込まれています。
 ひどいケロイドで苦しむ人もいれば、一見外傷もなく、一緒に遊んでくれていた兵隊さんが、髪が抜け落ちあっけなく亡くなったこともあったそうです。

 広島はある意味、平和の象徴として注目される立場ですが、ここ愛知でも、戦争により大勢の方が亡くなり、大切なものを失う悲惨なことが起きた、痛ましい事実に違いはありません。
 その経験を後世に語り継いでいくことは、広島以上に大変な努力が必要と感じました。運動を地道に続けられているピースあいちの方々、私財を投じた加藤たづさんに敬意を表します。
 また、活動を知らずにのんきに暮らしていた自分を恥じるとともに、不思議な縁で出会えた岡田さん(横浜の友人が熱く語ると思います)には、この機会を与えていただいたことに深く感謝します。これからのご活躍、応援しますよ!

 1階の第4展示「現代の戦争と平和」に、今起きていることをどのように綴るのか、我々に重い課題がのしかかっていると感じました。15年戦争を教訓に、平和を願う想いは揺るぎないはずなのに、未だに戦争は続き、残念ながら今後も起こりうるでしょう。
 でも、平和への想いをつなぎ、「希望を編みあわせる」ことはできると、私も信じています。その礎として、今後も活動を継続、発展されることを、心から祈念します。