◆子ども企画展「戦争の中の子どもたち 戦争と動物たち」に寄せて
ボランティア  上田 有見子



                                           
 

 私は、保育関係の仕事をしています。法人として毎年8月になると、年少組3歳~年長組6歳の子どもたちに、「平和講話」と題して「平和ってどんなこと?」「終戦記念日ってなあに?」「もし世界が100人の村だったら」等のテーマで話をします。絵本や紙芝居の読み聞かせ、写真やスライドを見せる、また地球儀を回しながら、世の中で今起きていることや世界の子どもたちのこと、みんな同じ人間だよっていうことを話します。

展覧会場の様子1

 そして平和講話の日の給食は、日本の戦時中の食事メニューです。今年は「すいとん汁・サツマイモの蔓のお浸し・麦入りごはん」でした。毎年のことですが、子どもたちから「おいしかった!」という言葉はでません。お代わりをする子もほとんどいません。子どもたちは多くを語りませんが、今の自分との食生活の違いを体で感じ取っています。
 その戦時中の給食メニューの写真を、今年の子ども企画「戦争の中の子どもたち」「戦争と動物」展の特別展で展示しています。ぜひご覧ください。

 「戦争の悲惨さや平和の尊さ」をさらに深めてほしいと思い、去年からは保育活動として、8月に年長児と「ピースあいち」を訪れています。一緒に展示を見て、館の方からお話を聞きます。
 8月の平和講話から何か月も経った一昨年の暮れ、二人の子どもが質問しました。「終戦記念日のお約束をずーっと守るためにどうしたらよいの?」「戦争写真を撮ったカメラマンは、なぜ目の前の子どもを助けないで写真を撮っていたの?」
 確実に子どもたちの心の中に平和の芽が芽生えているんだなあと思い、私は感動を覚えずにはいられませんでした。

展覧会場の様子1

 この原稿を書くにあたり、子どもたちに問うてみました。
 「何日もご飯が食べられなくて、お腹がペコペコになった時、一番何が食べたい?」
 口々に、カレーとかハンバーグとか言っていましたが、「お父さんの作ったギョーザ」「お母さんのチキンライス」という答えもありました。
 子ども企画展をみて、子どもも大人も平和のありがたさを思い、「平和のために何ができるのか」を考えるきっかけになっていただければうれしいです。
 百年後の子どもたちが、「お父さんの作ったギョーザが一番大好き!」と言えますように。