ピースあいち15周年にあたって◆平和の絵本を通して    
ピースあいち会員  金子 貞子

                                           
 


 ピースあいち15周年おめでとうございます。
 この15年の中で思い出深いのは、2015年に春日井市牛山町にお住いの93歳の佐々木さんからミッドウェー海戦時の体験の聞き取りをしたことです。佐々木さんから、ピースあいちの『戦争体験談募集』に「自分では書けないから聞き取りをしてほしい」というお電話がピースあいちにあり、そのお役目が私に回ってきたのです。
 「昭和17年6月、ミッドウェーで4隻の空母が炎上して、多くの仲間を軍旗に包んで水葬したが、最後には軍旗に包むのも間に合わなくなり、水葬するつもりが、それはつまり捨てることだった…」と当時を思い出しながら、涙を流された姿が忘れられません。

展覧会場の様子1

 今日もロシアのウクライナへの攻撃の映像をテレビで見ながら平和のために、私には何ができるかと考えてしまいます。
 先日、9条の会で春日井駅前でのスタンディングをしましたが、いつもと違ったのは、プラカードを持って立っている私達を見て「頑張ってください」と声をかけていく人がいたことです。 この戦争が一日も早く終わることを願いますが、愚かな戦争が続く限り、絵手紙会で描いたプラカードを掲げて、毎月駅頭に立ちたいと思います。
 また、これまで「子どもの本研究会」に所属して、子育て支援会で読み聞かせをしてきましたが、今はボランティアで日本語を教えている外国人学習者にも読み聞かせをしています。世界には、平和・自由・人権等を伝える、豊かな絵本がたくさんあります。文字が読めなくても、絵の力で共感しあえます。下記の3冊はそのほんの一例です。
 皆さんも是非、平和の絵本を手に取ってご覧ください。



展覧会場の様子1

『 やめて! 』  ディビット・マクフェイル 絵 文   
 少年が手紙を出しにポストに行って、帰って来るまでの38ページの絵本の中の言葉はただ1つだけ。その言葉で、行きと帰りの世界ががらりと変わります。誰に出した手紙か?何と書いた手紙か?


展覧会場の様子1

『 そらいろ男爵 』    ジム・ポム 文  
 1914年の第1次世界大戦からちょうど100年目の2014年に刊行された絵本。この戦争で初めて飛行機が使われ、空からの攻撃が可能になりました。男爵が空から落とした物は爆弾ではなくて…。


展覧会場の様子1

『 へいわと せんそう 』  谷川俊太郎 文   
 初めは『戦争と平和』の題名を逆にしたのかな?と思いましたが、実は作者いわく「戦争が終わって平和になるのではなく、平和を壊すのが戦争である。」と伝えたくてこの題にしたとか…。