◆2021年度「戦争体験語り手の会」の活動
ピースあいち語り手の会 吉岡 由紀夫

                                           
 

 語り手の会は2009年に発足し、2021年で13周年です。語りは戦争体験者や語り継ぎ手が来館者や、派遣先で戦争体験を語る取り組みです。本年度の語り事業は58回、体験を聞いた参加者は3,111人でした(2019年度は92回6058人、2020年度は30回1317人)。語り手活動もコロナ禍のため制約を受けながら、次の事業を実施しました。

1)ピースあいち団体見学者への語り・・12団体(小学校 10校 他は2校)参加者361人 
2)ピースあいち夏の戦争体験を聞くシリーズ・・10回参加者225人(5回はズーム/オンライン 128人)
3)愛知県戦争資料館での『戦争体験を聞く』会・・ 8回  参加者113人
4)愛知県平和支援事業での語り・・10校(すべて小学校) 参加者636人
5)愛知県下諸団体での語り・・ 18回(小学校,中学校,高校など) 参加者1776人

展覧会場の様子1展覧会場の様子1

  

【語りを聞いた感想】 

男の人は必ず戦争に行かないといけないと聞いて、とても驚きました。(小学6年生)
朝鮮を植民地にしていたなんて知らなかった。(小学6年生)
よく先生が「命を大切にしてね」と言うけれど、その理由がわかりました。(小学6年生)
臭い、景色、気持ち、状況などが細かく伝わってきた。(小学6年生)
授業で習わなかった事や、体験者の想いを聞き戦争の怖さを改めて実感しました。この怖さを後世に伝えて平和な世の中にしたいです。(中学1年生)
ピースあいちに行ってみて、戦争はやるべきではないなと思いました。体験者の話がもっと幅広く広がってほしいです。(中学2年生)
語りを通して、苦手だからと逃げはせずに、しっかりと戦争に向き合って事実として受け入れなくてはならないと感じた。(高校1年生)
名古屋にもこんなに大きな空襲があったことを知らなかった。(高校1年生)
実際の動画(B29による空襲で焼夷弾を落とす場面)、歴史で習っている時よりもリアルなことを聞いて戦争の悲惨さがわかった。(高校1年生)
腹話術から始まるので、とても聞きやすい。平和への思いもよく伝わりました。大切に考えていきたい。(一般)
当時戦争に反対されていた方々のことをもっと知りたいです。(一般)
戦争の話は暗く、聞くと耐えられない話もあったが、今日の語りは初めて、最後に明るく終われる戦争体験の話であったのでとても良かった。(一般)

 

 戦争体験を聞く取り組みが、地域や学校で行われているところもありますが、ピースあいちのホームぺージを見て、語り手派遣の申し込みがあります。学校、遺族会、戦争体験を語り継ぐ会、小・中教員団体、空手道教室など、多種多様の語り手派遣や来館時の語りの要望があります。戦争を直接体験された方も77歳から上であり、体験を聞くことが難しくなってきていますが、ピースあいちでは語り継ぎ手の方が戦争体験を引き継いでくれています。