野間文庫が完成しました
館長  宮原 大輔

                                           
 
展覧会場の様子1

 前館長の野間美喜子さんが亡くなってから1年半が過ぎました。野間さんが遺した書籍をご遺族からピースあいちにご寄贈いただけることになり、ピースあいちに「野間美喜子記念文庫」として整備いたしました。
 コロナにより野間さんとのお別れの会を開くこともできませんでしたが、今年に入って、「偲ぶ会」開催に向けて動き出しました。「偲ぶ会」の開催は5月9日と決まり、この日に合わせて文庫を整備することにしました。

 まず問題だったのはピースあいちのスペースの中でどこに設置するのかということでした。いろんな意見が出る中で、来館者の目に付きやすいことから1階の階段下となりましたが、そこにはすでに本棚があり、本を移動しなければなりません。これは図書班のみなさんが考えてくださって、他の本棚に移すことができそうでした。
 設計士の中澤さんに本棚の設計をお願いして図面ができました。

 3月に入り、下方さん(野間さん長女)、鈴木理事長、宮原の3人で野間法律事務所を下見に行きました。すると予定している本棚に納まりきれないことがわかってきました。約1.5倍ほども有ったのです。納まるだけを頂くことにすることも考えましたが、減らしてしまうのはよくないという意見もありましたので、全部をお受けすることになりました。
 本棚の設計をもう一度やり直してもらって最大限の収納ができるようになり、製作に取り掛かりました。
 3月末に本を野間事務所から宮原の事務所に移動して、整理、分類、目録の入力作業を行いました。

展覧会場の様子1

 分類は冊数のバランスも考慮して、以下のようになりました、①憲法、司法、②軍事、安全保障、人権、③社会、文芸、④戦争、戦争体験、⑤原水爆、原発、⑥沖縄、⑦文庫、新書、⑧ブックレット、⑨図鑑、写真集、大型本、⑩企画展、です。
 4月中旬に本棚が設置されました。既存の照明器具を移動して、文庫を明るく照らしています。名称は「野間美喜子記念文庫」となり、目立つ所に明記されました。
 本の分類整理ができて、ピースあいちに運び込んだのはゴールデンウィーク直前でした。それから図書班のみなさんが野間文庫印を捺して配架を行なってくれました。目録の印刷も進めました。
 こうして、ゴールデンウィーク明けの5月9日までに、総冊数818冊の文庫が整備されました。全体の9割弱の書籍がこの書棚に収められています。
 館内での閲覧ができるようになりましたので、ご来館の折に是非ご覧いただき、活用していただければと願っています。