博物館実習の学生の変化◆変わっていく発信と発想
ボランティア(学芸員)   岡村 裕成

                                           


 

 去年から引き続いているコロナ禍ではありますが、今年もいろんな方の協力、学生の真摯で柔軟な姿勢のおかげで、博物館実習を終えられました。毎年、戦争と平和への関心をきちんと持ってくれる学生が実習に来てくれるので、とてもやりがいがあります。

展覧会場の様子1

展示ガイドの実習

                      

 もう10年近く博物館実習をやっているので、世間の流行などが変わるのと同様に、実習に来る学生にも変化があるのは当然ですが、それがここ数年顕著になっている印象があります。 
 これまで学生からの企画展の提案を基にして、ピースあいちの企画展に活用した例もありますが、そのテーマや発想はこのピースあいちから得たもの、原爆被害や名古屋空襲の被害、特攻兵士や現代の戦争について考えるなどからが多くありました。
 それに対して、ここ数年、特に今年はテーマこそ似ていますが、それを考えてもらう切り口がとても現代らしいなという印象を受けました。アジア・太平洋戦争を題材にしたゲームを切り口にしたもの、特攻兵士のイメージを分かりやすく伝えるためにプレゼンでYouTubeを活用、見たり聴いたりを含めた五感で戦争を体感できる展示など、その引き出しの柔軟さに驚かされました。

 
展覧会場の様子1

資料の登録・保存を学ぶ

 現実にピースあいちで実施、となるといろんなところを詰めて考えなければならないですが、博物館実習を実施してきた身として、戦争や平和について考える材料、切り口、プレゼン方法が本当に広く多くなったなと実感することが多くなりました。
 自分もだんだん歳を重ねてきたので、そういう柔軟性がなくなりつつありますが、この博物館実習のおかげで、逆に学生からも学べることがあるなと改めて思います。