語り継ぎ手への第一歩
語り継ぎボランティア  近藤 世津子

                                           
 

 8月8日、名古屋はこの夏最高気温を記録した猛暑となりました。「ピースあいち」の夏の恒例「戦争体験を聴く」事業に、ベテランの語り手の皆さんとともに参加する機会をいただきました。昨年10月から、語り継ぎ手ボランティアとして研修を受けて、今回はいわば「デビュー戦」です。

展覧会場の様子1

 

 職場の大先輩である故斎藤孝さん(昨年11月にご逝去)の語り継ぎをさせていただこう、と決めてからわずか4か月ほどであり、人様の前でお話するなどまだまだ先のことだと、のんびりを決め込んでいたところへのお誘いでした。「どうしよう、できるかな」との不安もありましたが、思い切ってトライすることに。

 

 シナリオは何とか出来上がってはいたものの、併せて作ろうと思っていた画像(パワーポイント)は白紙の状態。
 ITオンチでは人後に落ちること間違いなしの自信あり、さてどうしたものかと頭を抱えていたのですが、そこは人材豊富なピースあいちで、スーパーお助けマンのMさんが救世主となってくださいました。Mさんの強力なサポートで、パワポも無事完成し、8月8日の本番を迎えることができました。

 

 オンラインでの語りのため、聴衆はいないのですが、関係者の方々とともに、斎藤さんの奥様の悠子さんが、猛暑の中わざわざピースあいちまで聴きに来てくださったのです。悠子さんからは「世津子さんの好きなようにやってくださればいいのよ」と優しい励ましのお言葉もいただき、いよいよスタートです。
 自宅で何度も練習したとはいえ、やはり本番前には緊張しましたが、いざ始まるとあっという間でした。パワポの動作に手間取ってしまって、途中止まってしまうなどアクシデントもありましたが、これもデビュー戦、今後の課題ということでお許しください。

 

 まだまだ研鑽を積まねばならないとは思いますが、貴重な機会をいただいて私のつたない語りを聴いていただけたことは、とても嬉しく思います。事前準備から当日まで全面的にサポートいただいた「ピースあいち」のスタッフの皆様には心から感謝申し上げます。
 そして、どこかで斎藤孝さんも「まだまだこれから。ガンバレ!」と応援してくださっているのではないでしょうか。本当にありがとうございました。


◇参加者の感想から◇

・語り継ぎをしていただいた近藤さん、また、このような機会を作られたピースあいちの活動に感謝申し上げます。いろいろと考えたことをすぐに言葉にできず、はがゆいですが、ぜひ今後ともお話をしていただきたいと思います。

・斎藤さんの映像から、柔らかい口調で子どもたちに語っているご様子がうかがえて良かったです。

・近藤さん、お疲れ様でした。パソコン操作、うまくいかないとあせりますよね!! そんな中、落ち着いて乗り切られてあっぱれでした。これからも、語り継ぎ頑張ってください。

・斎藤さんと句会でご一緒していた者です。授業風景のお姿が懐かしかったです。

・過去に聞いた戦争の話は暗く、聞くに耐えない話であることに対して、今回のような最後に明るく終わる戦争体験の話は初めてだったのでとてもよかったです。

・斎藤さんの平和運動が語り継がれていること、今後も近藤さんが語り継がれることをうれしく思います。