11月3日、ピースあいちオリーブの会による朗読会を開催
ボランティア  大久保 勝子

                                           
展覧会場の様子1

 11月3日午後、開催中の「戦争の中のこどもたち展」の関連イベントとしてピースあいち朗読の会「オリーブ」の秋の朗読会を開催しました。新型コロナの感染拡大のため、ピースあいちでは2月以降イベントが中止されてきましたが、お客様の定員を25人に制限、換気等対策を取っての開催でした。演目も一作品に朗読者が一人で対峙し表現することにチャレンジしました。マスクをつけての朗読も初めて、また、マイクの消毒など多くのボランティアのみなさんにご協力いただきました。
 今回は、時間の制限もあり、4作品でしたが、友人達からは、「テーマが際立っていて聴き応えがあった、伝わったよ!」と嬉しいメールがありました。

田島美代子・・・「祈りの橋」作・杉みき子
コロナ禍が長引くなか、多数の方々にお越しいただいた喜びが深く身に染みて、一語一句大切に読みました。「祈りの橋」は少女と老女の出会いの先に、一人息子が遺体も 上がらぬ死をとげた事を通して、じわじわ戦争の悲惨を訴えていく作品です。少女は「折りづるで、いいでしょうか。」・・・白い折りづるには<平和>と大きく書かれていました。

大久保勝子・・・「おとなになれなかった弟たちに…」作・米倉斉加年
この作品は、母に捧げる…と題して始まります。母は、まともに食事もとらず、食糧不足のなか、着物と交換して米を得て子どもを守る。しかし、弟は栄養失調で命を落とす。戦時中のほとんどの家族はこんな生活だったのでしょう。米倉少年は、これを描かずにはおれなかった。空の青さの中にキラキラッと光るB29戦闘機を美しいと感じた子どもは画家にもなり、人間を表現する俳優にもなった。気になっていた作品を読み切って、もうこの世に居ないその人物を想うことができた。

伊藤 真利・・・「おかあさんの木」作・大川 悦生
秋から晩秋へ季節が深まり、快晴の中、無事朗読会を終えることができました。関係者の 方々に感謝です。ご来場くださったお客様から、「今日の朗読会を聴いて、その本を読んでみたくなりました。」と言われ、「是非!」とお答えしました。

東野 裕子・・・「バイオリンの村」作・赤座 憲久
二回、三回と「バイオリンの村」を読むうちにわかってきた事があった!このコロナ禍で不要不急って何だろうと考えた。やっぱり芸術は不要不急ではない!人間が生きていくのに必要なものだ! 戦争中でもコロナ禍でも美しいバイオリンの音色、ユモレスクの曲は、必要なのだと伝えたいと思って朗読した。

荻野 克典・・・今回は朗読会の進行を努めました。
良かったと思ったこと。第1に、コロナ禍にあって満席の盛況であったこと。第2に、お客さんに好評だった(感動を与えた)と感じられたこと。第3に、作品が企画展に相応しく良かったこと。第4に、初めて一人で一作品を読み切り、読み手の個性が、それぞれに発揮されて良かったこと。第5に、「ピースあいち」にとって朗読の会が果たせる役割があることが、認知されたかなと思ったこと。

大島ゆかり・・・今回は、朗読会の予約者の入場の確認。
10月から朗読の会「オリーブ」に入会させていただきました。大変お疲れ様でした!会場の皆さんの感動のお声もいただき、無事に朗読会が終わり、皆さんのご努力が報われたと思います。先輩方の「平和」に対する熱いお気持ちに刺激を受けながら、「ピースあいち」に相応しい作品の朗読をさせていただけたらと思っています。よろしくお願いします。

●参加されたみなさんからの感想
2~3ヶ月前でしたか、ピースあいち誕生の経過が朝日新聞に紹介されていましたね。存在は見たり聞いたりしていましたが、それは初耳でした。戦争を知る世代としては、大変意義深い活動に敬意を表しております。その会場にふさわしいテーマの朗読でした。朗読はテクニックではない“心”ですね!!

「廊下の奥に戦争が立っている」ような、いやな社会の空気が感じられる今、小さな力でも集まってその流れを“とめたい”と願っています。どのような催しでも結構です。一つずつ石を投じてください。参加でき幸せでした。