第7回寄贈品展によせて
運営委員 吉岡 由紀夫

                                         
 
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企画展の準備をする資料班

 本年も「時をつなぐモノたちの声」をテーマに第7回寄贈品展が12月7日(土)~2020年1月25日(土)まで開かれます。ピースあいちでは今まで市民の方々から2900点に及ぶ戦争と平和にかかわる資料を寄贈いただいています。寄贈品展は、それらを整理し公開することを目的に開催しています。今回は2018年7月から2019年6月までに32人の方から寄贈された290点を展示します。

絵はがき

家計簿

 今回の展示の中から、いくつかの寄贈品を紹介します
 日用品の寄贈品では、母が戦時中に使用した家計簿、家庭用購入手帳、イーグル缶切り、刺しゅう用具等が整理整頓され漆の箱に収められていました。また、小学校から高校まで使用された教科書や『主婦の友』、『少女の友』などの雑誌、新聞、「満州支那全土明細地図」等もあります。

絵はがき

認識票









 珍しい寄贈品として「認識票」があります。名古屋陸軍造兵廠に学徒勤労動員させられた中学2年生の時に身に着けていたものです。その『認識票』には、「鳥」(鳥居松製造所)「0」(学徒動員)「三」(第三工場)「636」(個人番号)が刻印されています。

絵はがき

プロペラ





 
 また、木製のプロペラ(全長3.9メートル)は、1912年から1925年ごろ愛知時計電気で製作されたハンザ式ドイツ水上偵察機でしたが、使い物にならず遊覧飛行用に使われたようです。
 兵士、軍人関係の寄贈品では、軍服、水筒、軍刀、指揮棒、従軍記章、金鵄勲章、千人針等があります。1945年に通信隊に入隊した父親が「ポツダム宣言」「広島原爆投下」を事前受信した体験を残した「記憶メモ」をまとめた冊子もあります。

絵はがき

入隊許可証





 私設特攻部隊として組織された「神風特攻後続隊」の募集要項、女性の入隊許可書などもあります。「神風特攻後続隊」は、1945年終戦間近、女性も含め募集されました。入隊者の3分の1が女性だったということです。

 

 寄贈品展開催中の12月8日は、74年前の太平洋戦争開戦の日です。戦前・戦争中の一つ一つの寄贈品には、使用者、寄贈者の思いがたくさんつまっています。戦争の一端を知るために、「時をつなぐモノ」の「声」を聴いていただきたいと思います。