ピースあいち研究会誌第三号が発行されました!
ボランティア 桐山 五郎            

                                           
 
絵はがき
 

 ピースあいち研究会の研究会誌第三号が、この三月に発行されました。研究会誌はピースあいちに集うボランティアが、ピースあいちの日々の運営に携わりながら、それぞれが関心のあるテーマを調査・研究し、また体験や経験を記録に残そうとするものです。
 私たち研究会の会員は、市民です。寄せられた投稿文は、市民的目線から捉えた歴史的事象や社会的な課題など実に多岐にわたります。この多岐多様性こそが、私たちの大事な視野であり財産です。また多様な事象や課題を探求した私たちの視点の先は、平和を希求する一点に集中していきます。投稿文はいずれも力作揃いです。内二点の一部を紹介します。

 

◇ 先の大戦中に「鉄筋コンクリート船」がつくられていたとは、知りませんでした。「第一武智丸」といいます。今は同期に建造された友船と連結され、港の防波堤として利用されています。軍都呉から東40㌔にある安浦湾に残ります。
◇ 治安維持法違反容疑で捕らえられた日は雪が降っていました。その情景を歌った俳句「降る雪に胸飾られて捕へらる」。季語は「雪」、連行された時の降る雪が胸に付き、「白い花で胸が飾られたようだ」。筆者は、この句からは囚われた男性の「弾圧に屈しない矜持が感じられる」と評。この句をはじめ17句の評が載ります。

 第三号の投稿には従来の「戦争と平和」に加え、新たに「継承」が加わりました。
 戦争の実相を伝える「継承」は、「ピースあいち」をはじめ全国で取り組まれています。ピースあいちでも10年に渡る貴重な活動がありました。その足取りをまとめた一文と、今新たに生まれてきた課題に挑戦する活動も記載されています。
 ピースあいちは、「戦争と平和の資料館」です。それにふさわしい活動が求められています。「国民の教育、学術及び文化の発展に寄与する(博物館法第1条)」ことができるように、今後とも研究会はその一翼を担っていきます。
 本書を是非お読み頂き、忌憚のないご意見をお願いします。今後の糧として生かしていきます。