今年の映画2018◆ 「ラジオ・コバ二」
ボランティア 長谷川 保郎            

                                           
 
絵はがき絵はがき

 

 シリアでは政府軍と反政府軍の内戦に加えイスラム国(IS)との戦争も加わり、住民は生きていくのが困難なほど街は破壊される。
 そんなシリア北部の街コバニで大学生のディロバンは手作りのラジオ局を始める。街の復興を願って。荒れすさんだ人々の心に“おはようコバニ”の一声で始まるラジオ放送。
 生き残った人々の声や暮らし、街の様子を届ける彼女の放送は不安・不信・絶望・猜疑心・悲しみ・怒りが渦巻く人々の間に、ほんの少しの明るさを呼びもどす。そしてコバニの人々に街の復興と希望と連帯感を芽ばえさせていく。そんなドキュメンタリー映画。
 物は流されたり(東北震災)、壊されたりすれば無くなるけど、人のつながりは無くならない。
 人と人とのつながりが私たちの生活の基盤であり、それは大きな災害や戦争のような破壊がなくとも生きていく人間の一義と思う。
 そんな人と人のつながりの大切さを教えてくれた映画。

 

余談1 そんな厳しいシリアの情勢を伝えてくれるのは、命をかけたジャーナリストたち。だから私もほんの少しだけれどシリアのことを知ることができた。そんな人達に感謝。自己責任なんてとんでもない。
余談2 東北大地震の折にもそのような地域を限った放送を始めた人があったと聞いたことがある。洋の東西を問わず人と人とのつながりを求めるのは同じということか。