校外学習―ピースあいちで平和学習    
岐阜県高山市立東山中学校 北村 明美



 平和学習を実施するにあたり、下見を兼ねて8月にピースあいちを訪問し、館内を見学させていただきました。展示された資料は見ごたえがあり、一つひとつをじっくり読んでいくと、今まで曖昧だった15年戦争の歴史もよくわかりました。
 平和学習というと、広島の原爆投下や平和宣言などメディアで取り上げられる内容のことが中心になりがちで、東海地方の名古屋空襲の背景などについては知らないことが多く、身近なところにも戦争の爪あとはまだ残されていることを感じました。

 3階の展示室には高校生が描いた絵が展示されていました。高校生の鋭い感性は写真とは違った印象があり、絵を見ていると叫び声が聞こえてくるようで、その空間にいるのが苦しくなるほどでした。このような高校生の感性は、年齢が近い中学生にも是非感じてほしいと思います。
 また、当時の様子を語ってくださる語り部さんの高齢化などで、戦争体験を語ることができる人が少なくなっています。これからは、戦後生まれ、戦後育ちの私たちも、それぞれの立場で語り継いでいくことが必要だと強く感じています。
 東山中学校では、ピースあいちさんからいただいた資料を基に平和学習を進めてきました。授業を仕組むために職員も勉強しました。教えることで改めて知ることもあり、私たちにとっても発見がありました。

加藤さんと堀田さん加藤さんと堀田さん加藤さんと堀田さん

 当日は丁寧に案内していただいたお蔭で、生徒たちは学校での学習とは違う学びがありました。生徒が書いた平和新聞には、そんな思いがあふれていました。
・ピースあいちには戦時中の道具や写真、おもちゃがありました。小学生ぐらいの子も被害にあっていました。僕にも小さな弟がいるので、こんな小さな子も被害にあったなんてとても悲しかったです。
・印象的で、とても驚いたのは当時の人たちの日記です。日記には、夜に空襲があったことが書かれていて、戦争というものが日常の中にあったのだと感じました。たくさんの事を見たり聞いたりして感じたのは、今の私たちの生活があるのは昔の人の犠牲や努力のお陰だということです。
・いま世の中では、紛争や人格差別などさまざまなことが起きている。ニュースでも殺人など人が苦しむことが数多く報道されている。このようなことが起こっていいのだろうか。もっと命を尊重する事が必要だろう。世界共通で命の大切さを知り、争いをなくすことが平和だと思う。

 争いは人事ではなく、私たちの身の回りにも起こりうることです。だからこそ相手を理解し思いやる気持ちを忘れず、日々の生活を大切にしたいと改めて感じました。ピースあいちのみなさん、ありがとうございました。