戦争・平和を一緒に考えてみませんか? 9月30日「ピースあいち学生の日」      
ボランティア(次世代交流チーム) 岩男 涼    



 先の戦争から73年目の夏を迎えました。日本人はあの戦争のことをどれだけ知っているのでしょうか。戦争を語ることができる体験者は残念ながらどんどん減少しつつあり、この悲惨な体験をいかにして次世代に引き継ぎ平和の大切さを伝え続けていくかが昨今問題となっています。これは戦争資料館の共通の課題とも言え、ピースあいちでも大きな課題となっています。
 そうしたなか、私のような若手ボランティアを中心として「楽しむ」「しばりのない活動」「つながり」「ピースあいちの11年目~を考える・育てる・築く」をキーワードに発足した次世代交流チームが主催するイベントが、いよいよ9月30日(日)に開催されます。

 
展示室

「学生の日」フライヤー

 それは「学生無料の日」で、学生証をお持ちの中・高・大・専門学校の学生の方々に無料開館するというものです。このイベントでは、期間を延長していただいた「peace nine展」で作品制作者の平和への思いを聞き、常設展では戦争の実態やピースあいちを知り、一緒に学んでいこうと思っています。今まで土曜日や平日はバイトや学校で忙しくてピースあいちに来ることができなかったという方も、是非この機会にお越しいただけるとうれしいです。
 このイベントについての詳しい内容は先月のメルマガにありますので、今回は現在の準備状況や苦労していることなどを中心に書いていきたいと思います。

展示室

「あとかたの街」を歩く

 準備状況は順調そのもので、メンバーはみな楽しんで準備にあたっていると言えるでしょう。学生のみなさんには気楽に訪れていただき、戦争や平和のことを、あまり構えすぎずに学んでいただきたいと思っています。

展示室

「あとかたの街」を歩く

 ピースあいちは「戦争と平和の資料館」という肩書きがあるのでどうしても暗くて恐い場所というイメージが付きまとうと思いますし、戦争は際限のない殺し合いですからそれを学ぶというのは暗くて重いものであるという側面も確かにあります。常設展では戦争の悲惨な実態も学んでいただければと思いますが、戦争や平和は必ずしもそうした堅苦しい雰囲気の中で学ばなければならないというわけではありません。

展示室

次世代交流チーム会議

 「学生無料の日」では皆さんに気軽に訪れてもらい、ゆるく、気楽に学んでもらえるようなカフェや街歩きのマップといった企画を鋭意制作中です。ですから、カフェにお茶をしにくるくらいの感覚で訪れてみてください。歓迎します。

展示室

「学生の日」展示についての打ち合わせ

 今回のイベントを「ピースあいちのボランティア」という立場を離れて一学生の目線から見ると、これだけ気楽に訪れることができて、おしゃべりをする感覚で戦争や平和を学べる戦争資料館は他にはないのではないかと思います。ぜひ、多くの学生の方に訪れていただければと思っています。

 

  しかし、イベント開催の準備は決して平坦ではなく、やはり苦労することもたくさんあります。なかでも私たちには戦争体験がないため、戦争の実態をどうすれば上手く正確に伝えられるかという点で本当に苦労しています。
 私は当日、展示のガイドを担当させていただきますが、いかにわかりやすく堅苦しくなりすぎずに事実の羅列だけではない、そこに生き、死んでいった人々の思いを伝えるガイドができるかという点はやはり一番気を使うところです。私たちもまだまだ至らない点もあり手探り状態ですが、精進し高め合いながらイベント成功に向けてメンバー一丸となって一生懸命頑張っていきたいと思っています。

 

 9月30日の日曜日「学生無料の日」、多くの学生の皆さんと戦争と平和をゆるく気楽に語り合うのを楽しみにしています。