始まりました!◆特別企画展 高校生が描くヒロシマと丸木位里・俊「原爆の図」  
         

                                           
 

 今年も、当館の夏の企画展が始まりました。今年は、広島の高校生が被爆者から体験談を聴き取り描いた「ヒロシマの絵」と、時代も背景も違う画家・丸木位里・俊夫妻の「原爆の図」を並べ、時空を超えて原爆の悲惨さを伝えていく展示をめざしています。そして昨年、市民団体ICANがノーベル平和賞を受賞したことを記念する、ピースあいちの核廃絶への思いをこめた展示でもあります。
 ピースあいちでは、パネル制作はもちろん、展示計画、展示作業も、自分たちボランティアの手で行います。今回は、学芸員実習にきている大学生3人も、実習の一環として参加しました。展示作業風景をご紹介します。

展示室展示室


●「原爆の図」の展示

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最初に絵を展示する“台”(上下)をつくります。

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梱包を解き、絵を広げます。

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左:“台”の上に絵を乗せます。9人がかりです。絵の上下の“台”と絵を固定します。絵に傷をつけないように細心の注意を払いながら。  右:照明(スポット)の調整を行います。

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できました!今回の「原爆の図」は、第11部《母子像》です。「原爆の図」15部作品のうち、ピースあいちではこれまで5作品を展示してきました。

●「高校生が描くヒロシマ」の絵の展示

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1作品ごとに梱包された絵

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絵をワイヤーに掛け、観る人の目線は?と、高さを調整します。

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左:絵を壁に沿わせるため、ワイヤーをタッカ(鋲打機)で留めます。  右:位置が決まったら、それぞれにキャプション(説明文)をつけていきます。

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できました! 今回は10点の原画を展示。
この原画は、広島市立基町高校の『次世代と描く原爆の絵』プロジェクトが10年前から取り組んでいるもので、すでに100点を超える作品が広島平和記念資料館に所蔵されています。プロジェクト10周年記念展覧会で展示された以外、原画が他所で展示されるのは初めてとのこと。みなさんのご来館をお待ちしています。

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愛知サマーセミナー2018で複製画を展示

ピースあいちは、7月15・16日、愛知サマーセミナー2018で、「高校生が描いたヒロシマの絵」の複製画を展示ました。多くの中学生や高校生に見学いただきました。企画展で原画が展示されている「忘れられない~あの目」を見た中学生の感想をご紹介します。

「私はこの講座を見てとくに忘れられなかったのは「忘れられない~あの目」です。絵には「倒れた長い塀に腰まで挟まれ、髪を振り乱しながら助けを求めている婦人に足をつかまれ、その手を振り払った場面」と書いてありました。私は、この絵を見た時、絵に書いてある女性の目はなんて寂しそう、苦しそう、辛そう、そう思いました。私は、どんなにこの女性が辛かったか…そう思うと同時にこの手を振り払った男性も辛かったんだろうと思いました。この男性だって、振り払いたくて、見殺しにしたくて振り払ったわけではないはずです。私も、この男性と同じ立場ならどうしただろう?そう思います。本当に助けただろうか。この男性のように手を振り払ってしまったかも…。といろいろ考えてしまいます。私は、やはり戦争はなんて残酷と思います。私は絶対にこんな恐ろしいことをくりかえしてはならないと思います。」