◆所蔵品から◆資料ナンバー1637その他 右から読むか、左から読むか?の話
資料班
「新愛知」1941年12月9日夕刊(12月8日発行)
「中部日本新聞」1945年8月15日
「大阪朝日新聞」1936年2月27日 第3名古屋号外
「中部日本新聞」1945年6月20日
今月は、横書きの文字をどちら向きに読むのか、という話をしたいと思います。
今までの「所蔵品から」でご紹介したことのある資料を中心に、横書きの文字が付いているものを集めてみました。
まずは新聞の見出し。右から左に読みます。
上から、
「日・英米西太平洋で開戦」
1941年12月8日「新愛知」
「聖断畏し・和平の大詔降る」
1945日8月15日「中部日本新聞」
「戒厳令下の帝都警備」
1936年2月27日(二・二六事件の翌日)の「大阪朝日新聞」号外
「狭いながらも楽しい我家 益々明朗・焦土生活を賛美」
1945年6月20日「中部日本新聞」の第二面「東西焦土の頑張り比べ」「焼残った物置小屋で意気軒昂のエノケン氏」
です。
「大阪朝日新聞」1934年3月1日 大丸(百貨店)通信販売部の広告
新聞だけど左から右に読むのがこちら。上に紹介した新聞よりも古い、1934年のものです。百貨店の通信販売の広告です。
広告のページは文字の並べ方のルールが本文と違ったのでしょうか。
「少年倶楽部」1940年5月号
「婦人倶楽部附録」1940年4月号
「写真週報」1941年10月15日号
雑誌も見てみます。
右から左に読むものを集めてみました。
いちばん下の「写真(寫眞)週報」は、題字は縦に読みますが、「情報局編集」「十月十五日・第百九十号・十セン」の部分が「右から左」です。
「模型航空」1942年8月号・「模型航空」1943年7月号・「初級英語」1943年2月号(表紙タイトル・本文)
「左から右」の雑誌がこちら。
「模型航空」と「初級英語」です。
どちらの雑誌も、題字だけでなく本文も横書きで、「左から右」に読みます。
絵はがき「病院の栞(しおり)」
「掌中大名古屋区分地図」(1943年)の「名古屋市内交通案内図」題字
「掌中大名古屋区分地図」の「名古屋市内交通案内図」部分
2015年12月から2016年1月の企画展「伝えたい!戦争の記憶―戦後70年応募資料・作品展」で展示された資料からいくつか見てみます。
いちばん上は絵はがき「病院の栞」です。
小さくて読みにくいですが、「臨時名古屋第二陸軍病院(趣味情操教育・生花)」と、右から左に書かれています。
「掌中大名古屋区分地図」の「名古屋市内交通案内図」は、タイトルも、バス停の名前も、「右から左」です。
鉱物標本・鉱物標本の解説・「第六学年 尋常小学理科書」1939年
鉱物標本の表書きと箱の中の鉱物の解説は「左から右」です。数式や化学式や英文が出てくる教科は「左から右」で横書き、なのでしょうか。
と思いながら1939年の理科の教科書(第六学年 尋常小学理科書)を見てみると、なんと本文は縦書きでした。しかもさし絵(図)の説明の「ようがん」は、「右から左」になっています。
ライオン歯磨・資生堂歯磨・薬(含糖ペプシン・安痰丸・パラヌトリン)・みづほ染料・蚊取線香キクニッポン・ライオン蝿取粉
薬品なども、化学の分野なので「左から右」なのか、と思って見てみると、いちばん上の「ライオン歯磨」は右から左、アルファベットは左から右です。その下の二つ、歯磨きと薬びんのラベルは「左から右」です。
さらにその下は、「ほづみ」か「みづほ」か少し悩みますが、「染料」の字の並び方から、「みづほ」(右から左)が正解のようだ、とわかります。
蚊取り線香と蝿取粉も「右から左」です。蝿取粉のパッケージの上部の「LION」の文字は「左から右」です。
詳しい画像はこちらからどうぞ。
http://www.peace-aichi.com/20161023_sayuuyokogaki.pdf
ピースあいちウェブサイトの、所蔵品の紹介のページからも、バックナンバーの関連画像が見られます。よかったらこちらもどうぞ。
http://www.peace-aichi.com/05_objects.html