◆所蔵品から◆資料ナンバー8729 日参帳の話 資料班



日参帳 日参帳

日参帳

 昔風の、というか和風の帳面です。表紙には「昭和十六年一月」「日参帳」と筆で書かれています。
 毎日お参りをして、スタンプをもらうためのものです。
 背表紙、というか紙を綴じているあたりを見てみると、紙を重ねて2つに折った束が5つまとめられているのがわかります。さらに、模様の入った平紐で交差するように結ばれています。

日参帳
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 最初のページです。「昭和十六年一月十八日始メ」「入営記念日」と読めます。
 その下は次の年の4月。10日から18日までです。
 毎日のように捺されているスタンプは、「高牟神社」「日参」と読めます。(「参」の旧字、「參」がデザインされて、山の上にUFO3つ、みたいに見えます。)まん中上段、一回り小さいのは「日参」「熱田神宮」。いちばん左の2文字がよくわからないのですが、2文字目は「印」でしょうか。4月14日には高牟神社と熱田神宮の2つの印が捺されています。翌15日は黒の手書きの文字で「信貴山 生駒山」と書かれています。信貴山は、「しぎさん」と読みます(調べました)。生駒山と同じ、奈良県にあります。(生駒山は半分大阪府です。)
 「武運長久」の、大きいハンコがあるのが昭和16年(1941年)12月8日。「十二月八日にハ日英米開戦サレル此レ東亜戦争と云ふ」と書かれています。

日参帳 日参帳 日参帳 日参帳

日参帳

 途中のページはこんな感じ。1ページに10回分のスタンプが入ります。
 ものすごく印字が太くなっているページがあったりします。上から3つ目は、5月末から6月のページなのですが、にじんでいます。梅雨どきに雨に濡れたのでしょうか。
 一番下は紫のスタンプになっていて、ページの終わりに「以上廿十日(?)代参」と書かれています。代理の人がお参りをしていたようです。

日参帳 日参帳 日参帳

日参帳

 月が変わるページと、年末から年始にかけてのページをご覧いただきます。
 いちばん上は8月から9月にかけて。9月になったところでページを改めています。
 下2つは年の初め。「昭和十八年 一月一日 記念二千六百〇三年」「戦勝の春 記元二千六百〇五年 昭和二十年一月元日」と書かれています。


日参帳
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 書き込みのある最後のページがこちら。
 昭和20年(1945年)3月25日のところに「未明 空襲により高牟神社焼失に付一時中止ス」と書かれています。

 高牟(たかむ)神社は、JR中央線・名古屋市営地下鉄東山線の千種(ちくさ)駅のそばにあります。(近くの予備校に通っていたので、お参りに行ったことがあります。)
 恋愛に御利益があるというので有名です。戦争の時に空襲にあっていたというのは今回初めて知りました。




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http://www.peace-aichi.com/20160924_nissanchou.pdf
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