ピースあいち語り手の会 例会報告 
ピースあいち語り手の会事務局長 竹川日出男           



絵はがき

 6月27日(月)、「ピースあいち語り手の会」第8回例会が「ピースあいち」で開催されました。梅雨時ではありましたが、幸い好天に恵まれた初夏でした。当日は、一宮、稲沢、瀬戸、日進、岡崎、半田といった遠方からの参加者をはじめ、23名の方々が参加されました。
 例会では、斎藤孝語り手の会代表の挨拶の後、私から、前年度(2015年度)の活動報告をしました(文末に掲載)。
 2016年度の活動については、以下の事業について語り手をお願いしました。
1.2016年度平和学習支援事業 
2.2016年夏の戦争体験語り事業 
3.昨年の夏に開館した愛知県と名古屋市が設置した「戦争資料館」において行う夏休み特別企画事業 
4.主として「ピースあいち」へ来館して戦争体験を聞きたい学校や各種団体への語り事業

語り手のみなさんの思い
 この後、参加いただいたみなさんに現況報告や、語り事業についての思いを語っていただきました。
○他の語り手の皆さんがどのように語っているのか、参考のためにお聞きしたい。
○話したいことが多く、45分間で話すことの難しさを実感している。
○語り活動で生きがいを感じている。
○戦争の怖さを語るだけでなく、二度と戦争をしないことを伝えたい。
○話の最後に、聞いた話を他のみんなに伝えてほしいと呼びかけている。
などのご意見がありました。

 最後に野間美喜子館長から、語り手事業が「ピースあいち」の事業の中で特段の成果をあげていること、体験談の内容はご自分の体験そのものを語っていただくことが大事であること、語り手が少なくなっていく中、「語り継ぎ手」を育てていくことが重要であり、次回からは、この「語り手の会」を『語り手と語り継ぎの会』に発展させていきたいとの提案がありました。
 なお、卒業制作のテーマにしたいと、名古屋学芸大学映像メディア学科の女子大生2名がこの会に参加されました。



●2015年度語り手の会の活動報告

 2009年に始まった「ピースあいち語り手の会」の活動も7年目に入り、2015年度も3つの柱のもとに取り組みました。 
1)平和学習支援事業
 戦争に関する資料館運営協議会(愛知県・名古屋市で設置)から受託して、愛知県下の小中学校を巡る事業で、本年度は名古屋市のほか豊橋市、岡崎市、常滑市、北名古屋市、扶桑町など12校で実施し1126人の児童・生徒たちが聞いてくれました。
2)夏の戦争体験語りシリーズ
 毎年夏のこの事業は「ピースあいち」の恒例行事となっています。2015年の夏も、8月1日から15日までの間に10回開催しました。
 昨年は戦後70年という節目の年を迎えましたが、特に「戦場体験者」の高齢化が進み、若くても90歳前後と、もはや語っていただくには体力の限界に達してきているというのが現状です。こうした状況から、昨年の夏はテーマを「戦場体験」に絞って10人の方に登場いただきました。最高齢は上野三郎さんの101歳でした。聴衆は総数751人に達し、10回とも会場が満員という盛況でぶりでした。
3)その他の活動
 上記のほか、安城市をはじめ東海地区の小中学校や各種団体からの要請に応えて語り手を派遣したり、「ピースあいち」を訪れた学校・団体に対して戦争体験を語る活動を行いました。聞き手は延べ41学校・35団体、4652人となりました。
 この結果、実施した語り事業数は延べ98回、聴衆総数は6529人に上りました。語り回数はこれまでの中で最も多いものでした。
(参考)学校・団体別内訳 
小学校 34校1970人/中学校 11校537人/高校 5校650人/大学 3校53人/団体 35団体2568人 
4)『語り継ぐ私の戦争体験・第三集』の発行