◆所蔵品から◆資料ナンバー7867 週刊少国民 昭和18年8月15日号 の話
資料班

「週刊少国民」表紙
次回のピースあいち「映像による学習会」のテーマは『ビルマの竪琴』です。それでか、表紙の「ビルマ」の文字が目にとまりました。今回はこの雑誌を見てみましょう。
「週刊少国民」は、朝日新聞社発行の雑誌です。
1941年(昭和16年)から、小学校が国民学校に変わり、小学生は少国民と呼ばれるようになります。「週刊少国民」は、1年後の「昭和一七年七月十五日」に「第三種郵便物認可」となっています。
表紙の写真は、日の丸のついた飛行機を手にして笑顔の少年。説明は、「独立したビルマ国のバーモウ首相令息ザリーモウ君」です。

「週刊少国民」グラビア「ビルマの子供」
ビルマは、1943年8月1日にイギリスから独立をして、その時に日本軍が協力というか後押しをしたのです。
8月15日号の「週刊少国民」で、さっそくビルマ特集が組まれています。
当時のビルマの様子がわかる写真とか。

「週刊少国民」「ビルマの地図」
地図もあります。

「週刊少国民」「ビルマの地図」(部分)
地図を拡大してみると、丸太を運ぶ象や牛や油田や宝石など、産出するものが絵で表現されています。

「週刊少国民」「連載物語 大いなる朝」
連載小説(連載物語と呼ばれています)は「大いなる朝」。作者の石川達三は、第1回の芥川賞を受賞している作家です。
この回(連載第2回)は、行方不明になった牧野理学博士の息子弘君と、そのいとこの昭雄君が、飛行機の翼の研究をするために、こうもりを生け捕りにして飛び方を調べよう、というので、ろうそくとマッチと捕虫網と鳥かごを持って、ボルネオのジャングルのような山の中にある洞窟へ行こうとする場面です。
何となく愛嬌のあるさし絵は清水崑。有名な、お酒のコマーシャルのカッパ(初代)の作者です。

「週刊少国民」「長編漫画 ナマリン王城物語」
もう1ページご紹介します。
「長編漫画 ナマリン王城物語 第十五回 コム島の宝壺の巻 松下井知夫作」 宝を求めて少年たちがジャングルの中を行くというストーリーです。
「増産漫景 原やすを」「オホキナ コヒガ トレタア」「ヒマノ ミガ タクサン ナッタヨ」「モウスグ ヒカウキノ オヤクニ タツネ」子どもたちが畑や水辺で働いている風景です。
下段は広告2種
パイロット万年筆
「闘う姿いよいよ美くしく 産業戦力いよいよ逞まし」
トンボ鉛筆
「働け働け少国民も増産に協力!!少国民の勉強はトンボが協力」

「週刊少国民」裏表紙
最後は裏表紙の広告です。
花王クレヨン
「アタラシイ「ヱノホン」ノ色ニ準拠シタ最新規格品デス」
「ヱノホン」(図画工作の教科書)は、メルマガ35号(2012年10月)の「所蔵品から」で紹介しています。
東宝映画 超特作 海軍省後援 「決戦の大空へ」
「諸君の憧れの的「土浦海軍飛行予科練習生」の全貌映画化」
「写真ハ海軍省許可済第七二一号」という但し書きもあります。飛行機が列になって飛んでいる写真は、海軍が提供したものなのでしょうか。
詳しい画像はこちらからどうぞ。
http://www.peace-aichi.com/20130623_shuukanshoukokumin.pdf
ピースあいちウェブサイトの、収蔵品の紹介のページからは、「所蔵品から」バックナンバーの関連画像が見られます。よかったらこちらもどうぞ。
http://www.peace-aichi.com/05_objects.html