所蔵品から 資料ナンバー5579・6143・6195 レコード盤の話       資料班


 今回は、レコード盤です。黒い円板(ビニールというかプラスチックというか)に溝が彫ってあって、溝のぎざぎざが音になるやつね。

写真 ポリドールレコード コロムビアレコード レコードジャケット

レコードジャケット ポリドールレコード コロムビアレコード

 資料班ですので、たまには資料整理の話をしてみます。レコード盤のお手入れ(というかクリーニング)は、黒いとこを無水エタノールで拭くのです。無水エタノールは、ほぼ100パーセントのアルコールです。お酒に弱いと、なかなか苦痛。お酒好きな人にとっても、無水エタノールの香りが楽しいわけじゃないと思うけど。

 レコードの真ん中には丸いラベルが貼ってあります。曲名、演奏者、レコード会社なんかが載っています。今回は、図多めで文少なめです。ラベルと、レコードの袋を並べています。レコードごとにデザインされたレコードジャケットじゃなくて、レコード会社のロゴの付いた平らな紙袋に入っています。

 資料の中で、いちばん多いのがニッポノホンのレコードです。赤いラベルで、蓄音器のラッパ型の所がレコードの真ん中の穴になっていて、ワシだかタカだかが止まってる。羽をひろげてるので、もしかして鷲掴みにして飛んでるところでしょうか。
 蓄音器を作ってる会社がレコードも作っていることが多いのですが、ニッポノホンは、イーグル蓄音器というのも作っています。イーグルだとワシでしょうか?
 仏像が蓄音器の音に耳を傾けている袋の絵柄も面白いです。

写真 ニッポノホン ラベルと袋

ニッポノホン ラベルと袋

 ニットーレコードは、赤いラベルで、ワシじゃなくてツバメが、2連の音符に止まってる。音符を左右につなぐのが2本線なので2連16分音符、ですね。安来節に浪花節に御殿萬歳に地蔵和讃・御詠歌と、渋いラインアップ。御殿萬歳というのは、尾張萬歳の一種です。三河萬歳は聞いたことがあったのですが、尾張萬歳というのもあるのだそうです。紫のラベルに金のツバメのバージョンもあります。
 ニットーレコードも蓄音器を作っています。

写真 ニットーレコード ラベルと袋

ニットーレコード ラベルと袋

 Columbiaまたはコロムビアレコードは、カラフルなラベル。Columbiaの方は桜の花がモチーフの様です。片仮名の「コロムビア」のラベルは「フクちゃん部隊の歌」・「フクちゃん部隊行進曲」・「フクちゃんのうた」の3曲入り。

写真 コロムビアレコード ラベル

コロムビアレコード ラベル

写真 コロムビアレコード ラベルと袋

コロムビアレコード ラベルと袋

 オリエントレコードは、デザインにバリエーションあり。「ラクダに乗った人」が、共通のイメージ。商船学校寮歌に八木節国定忠治に浪花節と、内容は和風。

写真 オリエントレコード ラベル

オリエントレコード ラベル

 オリエントレコードは袋も、異国趣味。真ん中のは東洋風にも見えます。女性が琵琶とかマンドリンみたいな楽器を抱えているデザインです。女性の背中には大きな羽が生えています。

写真 オリエントレコード 袋

オリエントレコード 袋

 左の袋には、「針は1回以上使用すべからず」という注意書きがあります。レコードって、贅沢な趣味だったのか?
 と思ったら、ツバメ印のニットーレコードの袋に、レコード針の広告がありました。200本入り50銭とか、50回以上使えて10本入り50銭とか。しょっちゅう替えなけらばならなかったけれど、針1本の値段はそんなに高くなかったみたい。

写真 オリエントレコード 袋

左上・左下:オリエントレコード袋(部分) 右:ニットーレコード袋(部分)

 ビクターレコードは、モノクロ。「大陸行進曲」に合わせた絵でしょうか。
 首をかしげて蓄音器のホーンに鼻を近づける犬(耳だけ黒いの)と、”HIS MASTER'S VOICE” の文字。ビクターのマークも、小さくて見えにくくなってしまいましたが、ちゃんと付いています。

写真 ビクターレコード ラベルと袋

ビクターレコード ラベルと袋

 テイチクレコードは、紫にゴールド。台座の上に馬に乗った武将(楠木正成みたい)のマーク。曲目は、「浪花節 乃木将軍 辻占売り」。ラベルを読んで初めて知ったのですが、テイコクチクオンキを縮めてテイチクなんですね。
 MAIZURU RECORDは、オレンジの鶴に金の文字。内容は「新派筑前琵琶 那須与市」。与市は与一と書くことの方が多いでしょうか?
 筑前って九州ですよね?(おおざっぱ過ぎ?)ニッポノホンのレコードには薩摩琵琶がいくつか出てきます。薩摩も九州ですよね?琵琶って、九州で盛んだったのでしょうか?

写真 テイチクレコードとMAIZURU RECORD ラベルと袋

テイチクレコードとMAIZURU RECORD ラベルと袋

 日本マーキュリーは似顔絵付き。横書きが左から右なので、もしかして新しい?と思ったら、藤島桓夫さんは1950年にデビューなんだそうです。
 TOKYO RECORDも、赤いラベル。白で描かれた富士山のまわりに葉っぱ。
 Columbia REGALは黒字に金。ラベルもですが、レコード盤の溝のないところも鏡の様にぴかぴかです。写真に撮る時は顔や手の影が映らないように、ちょっと気を遣いました。映画説明「大和魂」とレコードドラマ「水兵の母」。ラベルのデザインの印象(大きくアルファベットでREGALと入っている。しかも金色。)を裏切って、和風で戦争関連ぽい。音楽でなくて「しゃべり」が入っているのも、REGALレーベルの共通の特徴です。

写真 日本マーキュリーとTOKYO RECORDとColumbia REGAL ラベルと袋

日本マーキュリーとTOKYO RECORDとColumbia REGAL ラベルと袋


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