所蔵品から● 資料ナンバー7541 真空管ラジオの話   資料班                            


 

真空管

 夏休みなので。自由研究とか、工作をした方もいらっしゃるでしょう。機械の中身とか、見たくなりませんか?ラジオの裏蓋を開けてみました。電気回路を見るのが好きな方にも見ていただきたいですし、そういうのは苦手な方でも、レトロな木製ラジオの、ぴかぴかの真空管を見たらなごむかもしれません。どうかおつきあいください。


ラジオ外観


 まず外見の特徴。オーブントースターぐらいの大きさで、ほぼ直方体。外枠は木製のようです。スイッチは向かって左の側面にあります。前面の向かって左半分はスピーカー。右半分には半円形の目盛りが付いた四角い窓と、つまみが3つ。中央のひとつは目盛りの針と連動していて、ラジオの周波数を調節するつまみです。下の方に並んである2つは、ひとつは音量かな、と思ったのですが、どうも違うらしい。

 

配線図より


 ラジオの底面に張り付けられている配線図を見ると、スイッチらしきものは図の右端のコンセントプラグのそばにひとつ(これは電源スイッチでしょう)。それから左端の、空中線(アンテナ?)につながってるコイル(線がぐるぐる巻きになってるところ)に切り替えスイッチがひとつ。(これが「謎のつまみその1」につながっていると見た)あと、コンデンサ(=で電線が途切れたみたいになっているところ)のうち左の方の2つが斜めの矢印付きになっています。可変コンデンサといって、「容量」を変えられます。チューニングのつまみと、「謎のつまみその2」は、ここにつながっている。と思う。
 アンテナの近くで、コイル(ぐるぐる巻き)とコンデンサ(矢印付き=)が寄り添っているのが「同調回路」で、空中の電波を拾います。で、どの局の(どの周波数の)電波を拾うかをつまみで調節できるのです。


ラジオ内部(背面)


 背面の板を外して内部を見てみます。手前には真空管(電球に似ているのですが、電球よりも中に色々入っています)が4つ並んでいます。奥にはスピーカーの背中が見えます。真空管のむこう側には、チューニングの目盛りの裏側が透けて見えています。


コンデンサ(左)と変圧器(右)


 目盛りの手前側には、金属の板を、すき間をあけて等間隔に何枚も重ねた物が見えます。これがコンデンサ(配線図では=)です。チューニングのつまみを回すとこの金属板が動きます。右隣の平らなのは、変圧器です。変圧器の近くには電源コードやヒューズがあります。


真空管。4つそれぞれ形が違う。


 4本の真空管は、すべて違う種類のものが取り付けられています。役割がそれぞれにあります。いちばん右の、電源コードに近いのは整流器(電流の向きを一方向にする装置)です。回路図ではRECTと書いてあります。まんなかの2本は増幅器です。回路図の説明ではA.F.AMP。 Audio Frequency Amplifierのことです。多分。低周波増幅器。空中から拾った弱い信号(電波)を、スピーカーを通して音が出せるようにでかくする、らしい。左端のは、アンテナにつながっているコイルとコンデンサの近くにあります。DETの文字から想像すると、「検波」をするのでしょうか。
 「検波」とは何だ、とか、「謎のつまみその1・その2」の役割とか、調べてもよくわからない所も残ってしまいました。お許しください。