所蔵品から● 資料ナンバー6011・6208その他 歯磨き・マスク・洗髪粉の話                   資料班


 前回は大きいもの(弾薬箱)を取り上げたので今回は小さいものを。日用品にしましょう。歯磨き粉、洗髪用の粉、あと、子ども用のマスク。ドラッグストアの品ぞろえのようですが。


 歯磨きは3種類あります。資生堂と仁丹(森下仁丹)とライオン。有名なブランドです。資生堂のは練り歯磨きで、平べったい円筒形の容器入り。あとの2種は粉で、袋入りです。(日本初の練り歯磨きを発売したのは資生堂だそうです。)
 デザインも、それぞれ迫力です。資生堂のは緋色と呼びたくなる赤色の椿。仁丹のはナポレオンみたいな帽子で肩にふさふさのついた服で偉そうなヒゲの人のマーク(大礼服マーク)が付いています。真っ赤なハートに白字で「仁」も、仁丹の会社のトレードマークだったようです。
 歯磨きの袋の表面の下の方にハートマークがあります。ライオンのは、実は以前2010年2月号の記事で「慰問箱」の中身として紹介したことがあるものです。妙な迫力のある細密なライオンの絵です。絵の中に「TRADE MARK」と英語で入っています。
 資生堂のは物品税込み23銭。(物品税が付くような、化粧品、ぜいたく品の扱いだったのでしょう。)袋入り粉歯磨きはどちらも100グラム入り15銭です。

 

 子ども用革マスク。箱の表面には「テンプル学生用皮マスク」「優美高尚」「消毒完全」の文句と、巻き毛の女の子が笑顔でマスクの耳ひもを持っている絵があります。大きい箱を開けると、1ダース、横2列の縦6段で小さい紙の箱が詰まっています。消毒完全でも、密封はされていません。タバコとか、トランプの箱ぐらいの大きさで、巻き毛の女の子の写真と、マスクを着けている学生帽の少年の写真が箱に印刷されています。黒くてひし形の、小さいマスクです。黒いひもが付いていて、耳にかけます。
 ひとつ箱から出してみました。縦に二つ折りになって入っています。外から見える側は、こげ茶色の革です。内側は、起毛している布で、黒色です。中央に横2縦3で6カ所のはと目穴が開いています。マスクなのに穴あき。中にガーゼなどを当てて使っていたようです。

 

 洗髪用の粉。「ツバキ洗粉」は、「薩摩特産」。粉末の洗浄剤が紙で筒状に包まれています。お線香1束ぐらいの大きさです。包み紙に説明が書いてありますが、なかなか読んでて面白いです。
「洗浄力(あらひちから)は普通洗粉(なみのあらいこ)に数倍の力を有し(もち)、」
「皮膚毛髪(はだかみげ)を滑らかならしめ」「つやを良くしクセ毛を直し永く垢(あか)着かず」(かっこの中は、現物では振り仮名になっています。)
「洗フテゴランスグワカル」←これは赤い字です。
 あとは、絹や毛織物を傷めることなく洗えるとか、襟垢にも良いとか、せっけんが使えないような塩水でも使えるとか、ぬか袋のようにして化粧用にも使えるとか、色々素晴らしいことが書いてあります。でも原材料の表示はないので、椿が使われているのか、そのほかに何か薩摩特産の物が使われているのか、わからないのです。

 

 今回取り上げたものは、横書きの文字が左から右のものがほとんどでした。英語の表記があるものも多いのです。科学や医学の分野だと、西洋風に左から右の横書きが多く使われるのでしょうか。