資料ナンバー5951 軍隊生活の絵はがきの話                 資料班

ピースあいち2階の展示室の隅に、畳の部屋のようなコーナーがあります。ガイダンスビデオによると、「当時の住まいの一部屋を再現した、町屋のコーナー」です。その町屋の柱時計(今も動いています)のすぐ下に、葉書入れ(状差し)があります。そこに、絵はがきのセットを入れて展示していました。どんなものなのか、見ていきましょう。


 はがき1枚の大きさは、14cm×9cmで、今のはがきのサイズ14.8cm×10cmよりも、少し小さめで、細長い感じがします。切手を貼る位置に「軍事郵便」の文字が入っています。軍事郵便というのは、戦地からの、あるいは戦地への手紙です。その中でも、家族などとやり取りする、個人的な手紙の事です。
 絵はがきは、まんが風の絵で、軍隊の様子を描いたものです。セリフが吹き出しに入っています。絵の隅に通し番号が付いています。1から32まで。番号が飛んでいるので、あるのは20枚です。


1から6は、演習・訓練の様子です。兵士の服装や持ち物に関しては、かなり細かく描かれています。(勉強になりそう。)ひざよりも下は、ゲートルを巻いているという表現なのでしょう。横線が等間隔に入っています。腰に巻いたベルトに、いろいろと取り付けていますが、おなかの前には四角い箱が2つ。水筒は、右腰の後ろに下げます。左わきには細い刃物(銃剣)の入ったホルダーを下げています。
 見張り(歩哨(ほしょう)といいます)や、実戦訓練の時には、銃の先にその銃剣を取り付けます。帽子は、戦闘帽です。布製で前だけひさし付きで、上に向かってすぼまっている形です。ひさしのすぐ上に細いベルトが付いています。帽子の下は、全員坊主頭。最初見たときは、すごいと思ったのですが、全員坊主で当たり前か、と思い直しました。


 7は「宿営」。畳の部屋で、3人の兵士がもてなしを受けています。主人らしき和服の男性が床の間を背にして座っている一人に酒を勧めています。荷物と銃剣は並べて床の間の横の壁ぎわに置いてあります。飯ごうだけは3つならべて床の間と反対側の床の上にあります。

 

 16から19までは、陸軍のハイテク装置や装備が主題になっています。
 17の聴音機というのは、ラッパ状の筒で音を集めて、見えない飛行機を探すためのものです。18の探空灯。これはサーチライトです。空を照らして標的の飛行機を見えやすくします。(2010年のあいちトリエンナーレでは、名古屋城からブルーの光のサーチライトが照射されました。)19は防毒マスク。防毒マスクを着けても、耳は出ているのか。(勉強になります。)目の所が左右別々の丸で、マスク本体にろ過装置が付いていなくて、ホースでつながっているタイプです。ろ過装置は、首から下げた袋に入っています。


 24・25は、軍馬が登場します。24は訓練の風景。25は、厩舎の中で馬の手入れをする様子です。


 26から32までは、廠舎での生活。廠舎(しょうしゃ)は、出張演習中の仮の宿舎の事です。細長い建物で、端から端まで土間があります。土間から上がってすぐ畳。仕切りは一切ありません。
 土間に置いてある履き物は、軍靴と下駄やぞうりが半々ぐらいです。オフタイムは下駄ばきオッケーだったみたいです。訓練中ではないので、ゲートルは巻いていないし、荷物や装備も身につけていません。(下駄はいてるし。)料理をしている時は、ゲートルを巻いて戦闘帽をかぶっています。上は上着を脱いで白シャツ。V襟で上の方だけボタン開き(ヘンリーネック)で長袖です。作った料理は、バケツみたいな容器で運んで、そのバケツと同じ色の丼と皿に取り分けて、何人かで輪になって食べるのです。