戦争体験者へのインタビュー冊子『Life』4号
ボランティア 大野  恵           

                                           
絵はがき

Life 4号(2018年11月発行)

 

 昨年11月に、『Life』4号を無事発行することができました。この冊子は、戦争体験者の方一人に登場していただき、今日までの人生を語っていただく、という内容のものです。
 今号は名古屋空襲を体験し、戦後は教員になられた吉田理(おさむ)さんのお話をお聞きし、冊子に掲載させていただきました。

 

 吉田さんに初めて取材させていただいたのは昨年の5月。吉田さんがいつも利用しているというカフェで待ち合わせをしました。吉田さんの戦争体験は、ピースあいちが発行している「語り継ぐ私の戦争体験 第二集」で読み、しっかり予習していったつもりでしたが、ご本人を前にして、知らない言葉や時代背景が出てくると、なんと返して良いか分からなくなるなど、緊張してしどろもどろな取材1回目でした。
 一回の取材は一時間半ほどで終わるのですが、いつも疲れさせてしまっていないか気になります。吉田さんへの取材は全部で4回にわたりました。最後の取材の日にしてようやく、吉田さんのリラックスした笑顔を見ることができ、嬉しく思ったのを覚えています。

 

 今回、吉田さんの言葉で一番印象に残ったのは、「死体を実際に見るのと、想像とでは全然違う」ということです。吉田さんは空襲の後、鶴舞公園に集められた死体の山を見て、その時初めて戦争の恐怖を感じたそうです。それまではどこか面白半分だったと。極限に追い詰められるまで、意外と恐怖を感じていなかったことに驚きました。
 今号は名古屋に住む人に馴染み深い地名や場所が出てくるので、より親近感を持って読むことができたという感想を多くいただきました。
 また、冊子を渡した学生さんに「日本の加害の歴史についてどう思っているかは取材しましたか?」と聞かれ、そういったことは今まで聞いたことがなかったと反省しました。まだまだ知らない時代背景も多いので、次号発行までにもう少し歴史の勉強をしてみることにしました。
 今回、吉田さんはもちろん、吉田さんを紹介してくださったピースあいちの竹川さんには本当に感謝しています。これからも皆さんから、ご意見やご感想、アドバイスなど多くいただけると嬉しいです。