第6回寄贈品展 オープニング・セレモニー  
運営委員 吉岡 由紀夫             

                                           
 
絵はがき

 第6回寄贈品展「時代を超えて語り継ぐモノたち」が、12月8日から始まりました。8日には寄贈者の方たちをお招きし、オープニングイベントを開催しました。ちょうど73年前、日本が太平洋戦争を開始した日です。マスコミの取材も受けました。
 オープニングの初めに、寄贈者の岡田治久さん、小島洋彦さんから寄贈品の説明と思いを語っていただきました。

 

 岡田さんは「寄贈品の『身分証明書』等は、母親が名古屋造兵廠熱田兵器製造所の病院看護婦をしていたときのものです。工廠が空襲されたときは、鉄道が不通で自宅(当時は豊明町)から、歩いて工廠に行き燃えているのを見たと言っていました。寄贈した『開戦の詔勅』(米英両国に対して)は、父親が勤務していた会社に配布されたものです」と、話しました。
 岡田さんは高校教師として『詔勅』を戦争・平和学習の資料として活用され、退職した後、「遺品を活用・保存する場所としてピースあいちに寄贈」したことを話されました。

 

 小島さんは、1943年旅順で生まれました。満州から父母妹の4人(父親は陸軍主計中尉)で引き揚げました。寄贈品は『引き揚げ手続き』関係書類、『軍隊名簿』等です。
 「日本人の子どもは優秀と言われていて、帰るときには、自分も中国人にさらわれる恐怖を味わった」「父が集合場所に来るのが遅かったので助かったが、早く帰った人たちは空襲に遭っていた。家族は大変な思いで帰国し、戦後は民間人として過ごした。当時の様子を理解していただくためにも寄贈したことが良かった」と話されました。

絵はがき

 セレモニーには、他に4人の寄贈者が参加されました。青柳典子さんは戦時中の紙幣『貯蓄債権』『壱円・拾円札』等を寄贈され、「亡き父は大阪で空襲にあった時も肌身離さず持ち保管していたが、戦後国は何も責任を取らず、保証もしなかったという負の遺産(詐欺行為)としての思いで寄贈しました」と話されました。

 

 戦後73年経た今日、寄贈されたモノたちは、真実から見えてくるものから目を離さず、『戦争とは?平和とは?』を考え、再び『戦争の惨禍』が起こらないようにすることを訴えていると思います。
 寄贈品展は2019年1月19日(土)まで開催されます。多くの方に見ていただきたいと思います。