リボン(戦争体験語り継ぎ手の会)第三回例会を開催しました
運営委員・リボン事務局長 河原 忠弘           

                                           
 
絵はがき

 

 10月20日(土)14時から、ピースあいち1階交流広場で、リボンの第三回例会を開催しました、出席者は、代表中村桂子さん以下会員14名と事務局長・事務局員等11名の合計25名でした。昨年9月のリボンの結成から約一年が過ぎ、その間の活動を総括して、これからの方向づけをする例会となりました。中村代表のご挨拶の後、館長宮原大輔さんから、戦争の体験がない世代が戦争を語り継ぐ時代になり、リボンへの期待と激励のご挨拶がありました。
 私からは、
1.現在の登録会員数は46名であること
2.この一年を振り返っての反省と課題のまとめ、メディアの報道ぶり
3.今後の活動の基本事項の申し合わせ
4.当面の活動
について説明・報告をし、了承されました。

絵はがき

 

 休憩をはさみ、石川薫さんによる試演がなされ、意見交換をしました。演題は、7月に椙山女学園高校で行われた「愛知サマーセミナー」で発表した「杉山千佐子さんの『名古屋空襲で失ったもの』」でした。これは、野間美喜子さんが杉山さんの語りを文字にしてまとめたものに、リボン会員の平岩潤さんが、映像・音声を組込み編集した「シナリオ」による完成度の高いモデル発表となりました。「シナリオの組み立てもしっかりしていて」「映像も活きていて」「朗読が上手」との感想が聞けました。

 戦争体験の語り継ぎは、時代の要請ですが、他にも経験が少なく、組織的、体系的、継続的に行うのは、試行錯誤の繰り返しになりそうです。語り継ぎの方法もいろいろあるでしょう。努力を重ねて、次つぎの世代が育っていく過程で戦争体験を必ず聞く「文化」が地域に根づき、皆が平和をねがって暮らせるようになりたいものです。皆さまのご支援を期待します。

 語り継ぎに期待するのは、体験そのものの語りです。事実を語ってくださることです。書物にある記述より古老が語る実体験の方が、聴く者に迫ってくるものです。語り継ぎ手にとっては、継ぐ技が必要ですが、その獲得は至難なことです。そして戦争体験それぞれは、当事者にとっては大変つらく厳しいものです。思い出し語ることを躊躇うこともあるでしょう。しかし、そこには伝えるべき大切な事実があります。
 また、先の十五年戦争ではアジア・太平洋地域で、二千万人が犠牲となり、そのうち日本人は三百十万人であったこと、かつて日本がアジアに多大な犠牲を強いたことも、忘れてはならぬ事実です。「日本人は恐ろしい」という記憶は残されています。個人の体験談の語りに加えて、総合的認識の継承も必要です。さらに、体験談を遠い過去の話として聞くのではなく、今これからの平和を守るための糧とすることも、忘れてはならないと思います。そうしたことも含めて、語り継ぎが進められるならば、外国人からも「日本人は真に平和を願っている」と思われるようになるでしょう。