興味を引き立てるガイドとは◆博物館実習を終えて
ボランティア・学芸員 岡村 裕成
ピースあいちでは、8年前に博物館相当施設と認定されて以来、学芸員課程の取得を希望する大学生の博物館実習の受け入れを行っています。7年目の今年は、8月に愛知学院大学と中部大学の学生の実習を行いました。台風の影響で日付の変更なども発生しましたが、今年も無事終えました。
博物館実習初日、夏の企画展の準備をする学生とボランティアたち
さまざまな講義や実習、フィールドワークを行いましたが、課題の一つとして、ピースあいちの展示の中から一つのパネルを選んでもらってガイドしてもらいました。
ガイドの練習前の、お手本のガイドを聞きながら自分のガイドしたいテーマを決めました。
手本になるガイドを見て、自分でガイドの構成をしてもらい、実習の最終日に実際にガイドをしてもらうというものです。学生たちは「春日井空襲」、「15年戦争の流れ」、「極東国際軍事裁判」をそれぞれ選んでガイドをしました。
荒削りながら、ピースあいちの普段のガイドとは違った目線、発想で、非常に面白いものでした。「相手に押し付けるだけでなく、相手にいかに興味を持ってもらえるか、考えたいと思ってもらえるかを意識することが大事」という講義をふまえ、それぞれ問いかけであったり、場面を変えたりと工夫を凝らしていました。今後のピースあいちのガイドにも活かせるのではと思いました。
以下は実習学生の感想の抜粋です。
「自分の意見や思想を話しすぎず、中立的な立場で話すことが特に重要になるということがわかった」
「相手の興味を引き立ててアクティブラーニングをさせることが重要だと考えられる」
「ガイドしていく中でテーマに関する理解の浅さを感じたので本番ではさらに理解を深めたい」
残念ながらこのガイドを聞くことのできたボランティアさんが少なかったので、次回以降やる場合はボランティアさんにも参加を呼びかけ、若い方の発想や話し方を見てもらえるようにしたいと思います。