歌は素晴らしい!◆名古屋二期会アンサンブル研究会・ピースコンサート     
ボランティア 野田 隆稔



加藤さんと堀田さん
 

 毎年の恒例になっている名古屋二期会の「ピースコンサート」が今年も9月16日に行われました。会場は60人を超える参加者で一杯でした。
 ザ・ピーナッツの『恋のバカンス』など「日本のうた」6曲。『カタリ・カタリ』など「外国のうた」3曲。『リゴレット』など「オペラアリア」5曲、『森のくまさん』など8曲の「動物のうた」を約2時間、マイクを使わず歌ってくださいました。

 

 司会の小出さんは曲の内容を要領よく説明してくださり、知らない歌も多いので、聞き手には曲の理解がよくできました。
 83歳で最年長の石黒さんは歌った後、「国民学校1年生の時、太平洋戦争になった。疎開も経験した。父親は戦死した。苦しい生活であったが、好きな歌を歌えたことが幸せであった」と語られました。心に響く言葉でした。

加藤さんと堀田さん

 

 「アリア&アンサンブル」の部では、オペラの上演を活動の中心にしている二期会の本領が発揮されました。さわりだけですが、全てが原語で歌われました。
 声量もあり、1曲全部聞きたいと思いました。石黒さんとピアノ伴奏をしている都築さんの「ドン・ジョバンニ」のやり取りは都築さんの弾き語りで行われ、駆け引きが面白かった。

加藤さんと堀田さん

 

 休憩後は、「動物のうたを集めて」のステージ。『もりのくまさん』『あわて床屋』『蛙の夜まわり』など被り物や小道具を使っての楽しく表現豊かな歌に会場からはどーっと笑いが…。
 最後は『赤とんぼ』の会場全員の合唱で和やかに終わりました。年をとっても、声量を保ち、美しい声を聞かせてくださった歌い手の方々の歌にかける情熱と日頃の精進に感動をいただきました。また、聴き手も高齢者が多く、翌日17日の「敬老の日」の前夜祭の感じもしました。
 折角、こんな素晴らしい演奏が聴けるのだから、子どもや若い人たちが多く参加できる方法を考える必要があると感じました。

 

 参加者のある女性の感想です。
二期会の現役のメンバーの歌声は初めて聞いたが、マイクなしの生の声で、近くで聴くのは貴重な機会だった。メンバーの中の83歳の男性がイタリア語で2曲歌い、「年をとっても歌えることはとても楽しい」と言っていたのが印象的だった。日本のうた、外国のうた、オペラのアリア、初めて知った歌もあったが、1曲1曲解説をしてくれたのも良かった。ピアノの伴奏も素晴らしかった。歌は素晴らしいと改めて感じた。心が穏やかになるひとときであった。