特別企画展「高校生が描くヒロシマと丸木位里・俊の原爆の図」によせて
◆私が描いた「閃光」
基町高校生徒 曽根 沙也佳           

                                           
 
展示室


 被爆体験証言者の李鐘根さんの証言を元に私が描いた「閃光」は、7月29日、ピースあいちで行われたギャラリートークで初めて、県外でのお披露目になりました。
 私はピースあいちに訪れた方が絵を前にして、どんな表情をされるのか、何を思われるのか、緊張で胸がいっぱいになりながら当日を迎えました。
 私がギャラリートークでお話しする前に参加した丸木美術館の学芸員の岡村さんによる丸木位里・俊夫妻の原爆の図のギャラリートークでは、具象、抽象それぞれの表現が入り混ざり、多くの被爆者のお話を聞いて描かれた、大きな原爆の図を、全国を巡回して“伝える”活動をしてきた夫妻の“伝えたい”と願う気持ちの強さの一端に触れることができてよかったです。私は基町高校の取り組みを経てこれから先、被爆体験の継承に貢献していきたいと強く思いました。

展示室

「閃光」 原子爆弾が爆発した瞬間の光線で照らされた風景。「この後、衝撃波でどんな悲劇が起こるか想像してほしい。」(広島平和記念資料館所蔵)


 広島に帰った今、ギャラリートークを振り返ってみて思うのは、「閃光」に私が1年掛けて込めた思いの丈を、拙いながらも思いきってお話しできたことはとても充実していて、幸せな時間だったということです。
 異常な閃光の色に思い悩んだこと、被爆3世である私が祖父と祖母から聞いた被爆体験に与えられた影響。私がずっと伝えたかったことに、会場にいた皆さんは耳を傾けてくださいました。本当に嬉しかったです。ありがとうございました。