「『生きていることが幸せである』ことを伝えたい」
◆ピースあいち語り手の会例会
運営委員 吉岡 由紀夫           

                                           
 
絵はがき

 第10回例会が、6月25日(月)、32名の出席で開催されました。新館長に就任した宮原大輔さんは、「野間さんのあとを継いでがんばっていきたい。語り手の会の活動が果たしてきた役割はたいへん大きく、語り継ぎ手の会の活動にも引き継いでいただきたい」とあいさつ。

 事務局担当の竹川日出男さんから、語り手の会10年間の取り組みでは、平和学習支援授業などで愛知県下で約650回、約4万人に語ってきたことが報告されました。一方、語り手の高齢化などの課題にどのように取り組むのかが問われていることも報告されました。

 <語り継ぎ手の会 リボン>事務局担当の河原忠弘さんからは、会が昨年発足し、若い人も多く参加し、聞き書き、朗読、動画編集などのグループに分かれて活動していることが報告されました。

 会員のみなさまからは、自己紹介を兼ねて、和気あいあいとした雰囲気のなかで意見や要望等が出されました。

(主なもの)
・高校生新入生歓迎フェスティバルに呼ばれたが、生徒・保護者は戦争中の出来事をあまり知らないので、もっといろいろな方法で伝える必要を感じた。(女)
・20年来、県下を回ってシベリア抑留の体験を語っているが、最近の若い人は聞きに来てくれない。30歳代の人は貴重である。ひざを突き合わせて話すことが一番良い。いい勉強をさせてもらっている。(男)
・一方的に話すよりは、小人数でもいいから話し合うことが大切である。(女)
・語り継ぎの会との交流をしたい。(男)
・住職をしているが、語り手やシャンソンライブ活動などで平和を訴えている。教育委員会の依頼で地元の中学校にも出かけ、坊主としての立場で語っている。(男)
・語り継ぎの会代表です。若い会員も得意なものを生かして活動している。(女)
・語り継ぎの会員です。みなさんの体験を聞いて、伝えることが大事だと思う。特養老人ホームからの依頼も受け、若い介護職の人にも語っている。(女)
・父親が満鉄勤務であった。小5のときの体験で、日本人が中国人や朝鮮人に行った「加害」についても語ることが、両国への本当の付き合いになると思う。(女)

 最後に、通院で遅れて参加された語り手の会代表の斎藤孝さんが、「当初は90名の会員だったが年々減ってきている。小6の子どもが感想文で『戦争はかっこよいものと思っていたが、斎藤さんの話を聞いてそうは思わなくなった』と書いてくれた。実体験を伝えることで、自分たちの気持ちが伝わるのではないか」と、体験者が語り続けようと話されました。