二つのうれしい出来事  
運営委員 庭山 輝男            

                                           
 

 戦争と平和の資料館ピースあいちのボランティアになって8年目。小・中学校の生徒たちが来館され、戦争の悲惨さと平和の大切さについて、一人でも多くの方に学習していただくことを願ってボランティアとして活動してきた。縁あって常勤ボランティアとなり3年目に入った。

 今、一日の始まりの朝のミーティングで二つの話題を提供している。
 一つは年3回発行される『ピースあいちニュース』の記事が、ある私立中学校の入学試験に採用されたこと。もう一つは、平成30年度から名古屋市立中学校で配布される「郷土の歴史を学ぶ副読本」に「ピースあいち」が取り上げられている事だ。

 ピースあいちでは、毎年8月の1日~15日に「夏の戦争体験語りシリーズ」が実施される。当番のボランティアの方が司会進行し、お話しされた体験談の記事を書き、それをメールマガジンと『ピースあいちニュース』に載せ、皆さんに情報提供をしている。
 昨年の語りの一つである石原隆さんの「ひろしま原爆」についての記事が、なんと、2018年度の金城学院中学校の入学試験問題に引用されたのである。ある学習塾の印刷部門から国立・私立中学校の入試問題集を作るにあたって、ピースあいちに著作権の許可の書類が送られてきてわかった。
 語り手のお話をボランティアの方がまとめた文章が、中学校の入試問題になった。なんとうれしい事ではないか。


絵はがき

副読本『知っておきたい15の史実 ナゴヤ歴史探検』

 昨年の夏ごろ、名古屋市内のある中学校の先生が、名古屋市立中学校で使用する社会の副読本の原稿を書きに、複数回にわたってピースあいちの2Fの常設展を見学に来られた。完成を楽しみにしていたところ、今年に入って早々に編集担当の方から副読本に載せるA4版6枚の原稿のチェック依頼が届いた。
 「昭和時代 戦争と名古屋」という単元には「名古屋を焼き払ったたび重なる空襲」と「焼け落ちた名古屋城と熱田空襲」「戦時中の暮らし」がある。そこには随所随所に、ピースあいちの展示ならびにブックレットより引用した内容が載っていた。
 圧巻は「戦争を知るためのフィールドワーク」のぺージの一番目にピースあいちが紹介されていたことで、でき上がりを楽しみにしていた。

 3月に名古屋市教育委員会発行の副読本『知っておきたい15の史実 ナゴヤ歴史探検』が送られてきた。中を見たところ「戦争を知るためのフィールドワーク」のぺージの一番目は「愛知・名古屋戦争に関する資料館」で、ピースあいちは三番目になっていた。
 この副読本は書店で一般向けにも販売され、売れ行き好調と聞いている。今年は5万部印刷され、名古屋市立中学に通う生徒に配布されるとのこと。
 授業で副読本が使われ、その結果として、ピースあいちにグループ研修などで来館される生徒たちが増えることを大いに期待している。