『私にとっての平和とは? 投稿募集』プロジェクトを終えて      
運営委員 赤澤 ゆかり



 
展示室

『私にとっての平和とは? 投稿募集』チラシ

 2017年5月に開館10周年を迎えるにあたり、年間を通じて「ピースあいち」をアピールする企画として考えた『私にとっての平和とは? 投稿募集』プロジェクト。
 昨年2月から募集を始め、12月末に終了。計415人の方から投稿していただきました。年齢は、7歳から84歳まで、うち80%(334人)が10代。男性40%、女性52%(不明8%)でした。

 

 ピースあいち開館当時には想像もしなかったほど、この10年で、社会状況は大きく変わり、戦争がより身近なものになった感があります。これからの10年は、否応なく、戦争と平和について考え、行動していかなければならないでしょう。次の時代を担っていく人に、いま、平和について考えてもらいたい。「言葉」を募集することで、そうした時間をもってもらえるのではないか、というのがプロジェクトの趣旨でした。そこで、応募は文字に限り、文字数は一言から800字までとしました。
 主なターゲットは、児童・学生・子育て中の人たちなど、若い層。あまり文章を書いたことのない人たちも「書いてみようかな」と思える、きっかけになる呼びかけ文を考えました。記入していくと平和について考えられるワークシートも準備しました。デザインも可愛く親しみのもてるものに。チラシ配布のほか、ツイッターでも広報し、HPからも投稿できるようにしました。
 クラス単位で取り組んでくれる小中学校もあって、投稿の80%(334人)が10代という結果になりました。ただ、20代、30代の方からの投稿数は多くありませんでした。その世代の声を拾い上げ、それらに耳をかたむけていくことは、ピースあいちの今後の課題としたいと思います。

 
展示室

ワークシート

 ワークシートの『平和をイメージする動物(鳩以外で)は何ですか?』の問いでいちばん多かった答えは「鳥」、『鳩以外で』と問いましたが、次に多かったのが「鳩」。身近な動物の「イヌ」、「ネコ」をあげた人も多くいます。次いで多かったのが「ゾウ」。戦時中もゾウを守り、戦後ゾウ列車を走らせた東山動物園のある地域ならではの答えかもしれません。
 『平和をイメージする色は?』の問いに、もっとも多かった答えは「何色にも染められていない色」という理由で「白」。次いで「空の色」として「青(水色)」。青い空に白い鳩が飛んでいく平和のイメージは不滅です。3番目が、「戦争や汚染は自然がなくなる」と、「みどり」。「いろいろな人の個性を表す色(十人十色)」として「虹色(レインボーカラー)」も目立ちました。
 他にも『今は平和だと思う? 思わない?』『私がイメージする平和とは〇〇〇な状態です。』『平和のために私は〇〇〇を知りたい。』『平和のために私ができることは〇〇〇だと思う。』と聞いています。そして、メインの自由投稿は『私にとっての平和とは? 平和のために自分ができることは?』と聞きました。
 すべての投稿は報告書にまとめ、HPにもアップしていますので、ご覧ください。

 
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 投稿くださった学校は熱心なところなのでしょうが、学校でどのような平和教育がなされているかがよくわかりました。人権について学び、そこから、いじめ、差別、戦争の問題へとワークショップなどを交えながら、体験的に考えを深めていく教育が工夫されているようで、感心しました。
 素直な子どもたちの投稿を読んで、自由な教育の場を守ることの大切さを感じました。

 「この作文を書いて、改めて平和についての大切さに気づいた。私達にとっての平和は何なのか? 日本にとっての平和は何なのか? 世界にとっての平和は何なのか? これからも考えていきたいと思う。」「このような平和について考えること一つ一つを一人でも多くの人に読んでもらうことが、平和につながる第一歩だと思います。」
 こんな投稿もあって、胸が熱くなりました。この結果を多くの人と共有し、ピースあいちの活動を含めて、さまざまな形で活用されることを望んでいます。
 投稿してくださった方々、プロジェクトにご協力いただいた方々、ありがとうございました。