ネパールへの旅~ヒマラヤ・エベレストと仏教・世界遺産都市めぐり~      
ボランティア 吉田 稔



 1月23日~29日まで1週間、5年前から行こうと思っていたネパール旅行に行ってきました。
 今年75歳の後期高齢者になる前に、最後の海外旅行をどこにしようかと思ってきました。世界の最高峰・エベレストが見られて、仏教の発祥の地であるネパールこそが自分の思いに近いものだと感じて、70歳になった時から検討して同伴者も探していました。ところが3年前にカトマンズ周辺で大地震が発生し、ようやく今年のツアーに参加して念願のネパールへ行くことができました。

 

 ネパール旅行の概略ですが、首都カトマンズと第二の都市ポカラを中心にヒマラヤ山脈と仏教遺産を巡る6泊7日(機中泊1日)の旅でした。今までの海外旅行で、カナダ、ニュージーランド、スイスにも行って美しい山脈を見てきましたが、ネパールヒマラヤのレベルはけた違いのものでした。
 天候にも恵まれて、カトマンズからのエベレスト遊覧飛行は、霧と雨の空を突き破って「エベレスト」「ローツエ」等の巨峰を見ることができました。雲の間にみたヒマラヤ山脈とエベレストは、思わず手を合わせたくなるような神々しさでした。

 
加藤さんと堀田さん

2018年1月24日 カトマンズ空港から遊覧飛行にて 主峰・エベレスト

  

 さらに、ポカラではアンナプルナ連峰(Ⅰ~4峰及び南峰)、マチャプチャレの雄姿を日の出の光をオレンジ色に受けながら見ることができました。ネパールヒマラヤには、14座の8000m級 の山がありますが、最高峰のエベレストをはじめ6座の雄姿を見ることができたのです。短い旅行でこれだけの雄姿が一挙に見られたことは、大変幸運でした。

加藤さんと堀田さん

1月26日早朝、
ホテルの屋上からマチャプチャレとアンナプルナⅠと南峰

  一方、仏教遺産巡りは、世界遺産都市・カトマンズ、パタン、バグタブルの3都市すべてを見ました。共通して中心部に王宮広場があり、至るところに仏教とヒンドゥー教を崇拝する寺院が点在する。残念なのは、3年前の大地震で多くの寺院が倒壊し復旧が遅れていることでした。仏像にしても五重の塔にしても仏教発祥の原点が見られました。

加藤さんと堀田さん

世界遺産都市パタンの寺院群 カトマンズの近郊都市

 もう一つ注目すべきことは、2500年の歴史を持つネパール王制は、日本の天皇の歴史と重ね合わさるところがありました。しかし、ネパールの特徴は、釈迦の誕生(紀元前500年ごろ)の地でありながら、仏教以前にはヒンドゥー教があり、共に多神教思想のもとに共生してきた歴史です。さらに、ネパールの歴史ある王制は、2006年に国王が発議し混乱を経て、2008年「民主共和制」へ切り替わりました。国王は完全退位しました。同じような歴史を持つ日本の天皇制と違うところです。

 

 今回の旅で感じたネパールの課題は、交通事情です。鉄道がなく、幹線道路も80%が舗装されず超が付くほどの悪路で、観光客はこの悪路の苦渋な体験をしなければなりませんでした。観光と農業立国を目指すネパールとしては、インフラ整備こそが急務です。
 勤勉で争いを好まない民族性を大切にして、自然を活かした観光・農業立国を実現してほしいものです。